■スズキ・ジムニーに16cmスピーカーの取り付けが可能に
こんにちは、自動車ライターの工藤貴宏です。
突然ですが、好きなんですよ新型ジムニー。いかにも“ヨンク”らしい無骨なデザインも今となっては逆に新鮮だし、室内は実用性も居心地も旧型に比べて大きくレベルアップ。人気が盛り上がっているのも素直に受け入れられるってもんです。
なかでも注目したいのは、快適性。旧型までのジムニーって、乗り心地もよくないし走行時に車内へ入ってくる音もホント煩かった。でも、新型になってビックリするくらい快適になったので感動的です。なかでも、エンジンなどの騒音が静かになったのはとてもいいことですね。
ただ、その結果として気になってくるのがオーディオ。騒音が煩さすぎた旧型ではオーディオの音質を語る状況になんてとてもなかったけれど、新型になって車内が静かになった。だから、いい音で音楽を聴きたくなってきたわけですね。もちろんノーマルのオーディオでもそれなりの音がするけれど、なんだか物足りない。せっかくだから、スピーカーを交換して音質をアップしたいという気持ちになってくるってもんですよ。実はオーディオって、メインユニットがノーマルでもスピーカーを交換するだけでずいぶん響きが変わりますからね。
そこで、今回注目したのはカロッツェリアの「ジムニー/ジムニーシエラ用カースピーカー取付キット」。ことし3月に発売されたばかりの新製品です。フロントスピーカーを純正品からカロッツェリアのカスタムフィットスピーカーへ交換するときに便利な、ジムニー専用設計のアイテムですよ。
この取付キット独自の素晴らしい点はふたつ。ひとつはスピーカーをサイズアップできること。一般的に大きなスピーカーほど奏でる音の厚みや再現力の深みがありますが、ジムニーの標準サイズは口径(直径)が13センチと小さい。販売店オプションとして用意されているグレードアップ用スピーカーも13センチです。なぜなら、これより大きなサイズは物理的に入らないから。
しかし、このキットを使えばなんと、口径16センチのスピーカーを取り付け可能。13センチスピーカーよりも多くの空気を震わせることができるから音質アップに対して効果的というわけ。そんなスピーカーを選べるようになるのが、このキットのうれしい特徴なのです。
その秘密はこのキットの要となるブラケット。16cmスピーカー取り付け時に、純正スピーカーの取り付け位置から中心を少しずらす機構になっているので、ドアの内部やドアトリムに接触せずにスピーカーを取り付けられるのです(偏心取付機構)。これはパイオニアが特許出願している独自のアイデアで他社は真似できないのだとか。なるほど。
もうひとつは、ジムニー専用設計だということ。だから加工も不要でフィッティングもバッチリなのは当然として、ジムニー専用で詳細&親切な取り付け説明書までついている。「スピーカー交換ってなんだか面倒そう」と思っている人でも、ちょっとしたDIY知識と工具さえあれば気軽に取り付けられるというわけなのです。
今回は、万全な状態で取り付けるためにプロショップへ取り付けを依頼。取り付けを担当してくれたミストラルの花柳さんも
「説明書が丁寧で、ドアの内張をはがす際に外すネジがどこにあるかまで書いてあるのがいいね。車種別キットの説明書でも普通は内張りなどを外した後のことしか書いてないから、はじめて手掛ける車種は調べないといけない。でもこの説明書はスピーカー取り外し作業に関することがぜんぶ書いてあるから本当に親切だ。DIYでも簡単に取り付けできると思うよ」と褒めていました。
もうひとつ花柳さんが感心したのは、取り付けキットの内容。
「防振クッションはもちろん、スピーカーに取り付ける遮音クッションまでセットされているのもいい。その貼り方まで説明書に書いてあるから丁寧だね。」(花柳さん)
スピーカーはキットと別売だけど、今回は、ベーシックなグレードアップとしてスピーカーはスタンダードモデルのカロッツェリア「TS-C1630」を選択。こちらはトゥイーター部とウーファー部が一体化されたコアキシャルモデルで、取り付け性にも優れ、ハイレゾ音源の再生にも対応した高性能モデル。左右用として2個が1組で、税抜き2万1000円です。
車両から外した純正スピーカーと新たに取り付けるスピーカーを並べて比べてみたところ、驚いたのは作りがあまりに違うこと。サイズが大きいのはもちろん、見た目も違う(純正品はいかにもコスト重視だ)し、重さがまったく異なるのです。カロッツェリアのスピーカーのほうがはるかに重く、これは強力なマグネットを使っているから。つまり音を鳴らす能力が高いというわけですね。
このキットのおかげで、ドアトリムはそのままに標準装着品よりもワンサイズ大きなスピーカーが取り付けられるのですが、ジムニー純正のドアトリムの開口部(表面はメッシュ)は13cm用で設計されてます。けれど、その開口に対して16cm口径のスピーカーの振動版部分の大半を収められる設計になっているのがポイント。スピーカーの口径を大きくしてもドアトリムには音がほとんど干渉せず、スピーカーの能力を生かすことができるってわけなんです。
あと、スピーカーを支えてクルマに取り付ける部品(ブラケット)はノーマルでは薄くて見るからに弱々しい。だけどカロッツェリアのキットは専用設計になっているから剛性も十分。音を出す際のスピーカーの振動を抑えてくれるのです。
さて、ジムニー専用キットを使ってスピーカーを交換したことで、音質はどう変化したか? もう誰が聞いても違いは明確なレベルですよこれは。
ノーマルではこもり気味だった音が、スピーカー交換後はスッキリとクリアに。バラードなど響かせる曲だとボーカルがはっきりと聞こえて音の奥行きが増しているのがよくわかります。元気のいい曲だと、低音の厚みと締まりが増して明らかに聞きやすくなったのを実感できた。こんなに手軽なのに、こんなに音が変わっちゃっていいの?というくらいなんです。本当に。
スピーカーを変えてよかったな、と強く思ったのは高速走行時。新型で静かになったとはいえ一般的な乗用車に比べるとジムニーの走行騒音は大きめだから、高速走行時はオーディオの音も大きくなりがちだった。だけど正直なところ、ノーマルだと物足りない音質で微妙な心境(音質は音量を大きくするほどアラが出る)。ところが交換後は音質がすごぶるよくなったので、音を大きくしてもスッキリと聞けるようになったのでした。
オフローダーのジムニーだけに、悪路走行中だって気になるところですね。
たとえば砂利道を走る時はタイヤが跳ね上げた小石が車体に当たる音が耳障りだったりするけれど、音質のいいオーディオになったおかげで気分的には余計な音が気になりにくくなりました。なにが言いたいかというと、ジムニーのスピーカー交換は本当に満足度が高いってことです。実際に交換してみたら音がよくなったのはもちろん、費用対効果という意味でもビックリなのですから。
ところでこのカロッツェリアの「ジムニー/ジムニーシエラ用カースピーカー取付キット」は、あえてスピーカーが別売になっているのもポイント。スピーカーの選択肢が広がり、予算と求める音質により好みに合わせて選べるというわけです。
今回装着したスピーカーのモデルをはじめ、より手軽なエントリーモデル「TS-F1640」(7500円)のほか、トゥイーターを別体としたセパレートスピーカーのスタンダードモデル「TS-C1630S」(3万2000円)やエントリーモデル「TS-F1640S」(1万5000円)も選択可能。もちろん、さらにサブウーファーも追加して音をグレードアップできますよ。
とりあえずカロッツェリアの専用キットでフロントドアのスピーカーを交換。これはジムニー&ジムニーシエラ乗りの新常識といっていいのでは?
<今回装着したアイテム>
carrozzeria
ジムニー/ジムニーシエラ用
カースピーカー取付キット
UD-K124
定価4,000円
https://jpn.pioneer/ja/corp/news/press/index/2456
https://jpn.pioneer/ja/car/jimny_soundup/
(文:工藤貴宏/写真:平野 学)
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