自動運転や電気自動車に関わるクルマ業界の最新キーワード! 5分で分かる「CASE」や「MaaS」の意味

●MaaSは様々な交通機関を網羅する新サービス

MaaS(マース)とは、「Mobility as a Service(モビリティ・アズ・サービス)」の略。直訳すれば「サービスとしてのモビリティ」となり、様々な移動手段をサービス化することを示します。

よって、対象となるのは一般の乗用車だけでなく、バスや電車などの公共交通機関も含まれ、それらをひとつのサービスとしてとらえて、シームレスに繋げていこうという動きです。

MaaSの定義には、まだ諸説ありますが、分かりやすい例としては、スマートフォンなどの通信端末を活用し、自宅から目的地までのバスやタクシー、鉄道などの一連の交通機関の使用について、座席予約や運行状況の確認などを行うことを可能とするサービスなどが考えられています。

また、バスの場合は、運転手不足などの課題解決のために、自動運転とMaaSを連動させた動きも出てきています。

自動運転バス
小田急電鉄が江ノ島で行った自動運転バスの実証実験。2018年の実験では、スマートフォンで予約や時刻表のチェックなどができるサービスも実験

日本では、トヨタ自動車とソフトバンクが設立した「MONET Technologies(モネ・テクノロジーズ)」が、積極的にMaaSの事業化を推進中。地方自治体などと連携しつつ、通信を活用したオンデマンドなどの新サービスに関する実証実験を行っています。

モネ・テクノロジーズ
2018年に行われたモネ・テクノロジーズ発表会で、固い握手を交わすトヨタ自動車の豊田代表(右)とソフトバンクの孫代表(左)

ちなみに、トヨタは移動、物流、物販など多目的に活用できる自動運転EV(電気自動車)「e-Palette(イーパレット)」を開発。東京オリンピック/パラリンピックで選手や大会関係者の移動用バスに使うほか、モネ・テクノロジーズが推進するMaaS分野でも様々な用途に活用することを目指しています。

e-Palette
トヨタがMaaS関連事業に向けて開発したe-Palette

モネ・テクノロジーズには、ホンダ・日野自動車・いすゞ・スズキ・SUBARU・ダイハツ・マツダといった他の自動車メーカーも参画。一方、ルノー・日産連合は、Google系でAlphabet(アルファベット)傘下のWaymo(ウェイモ)と手を組んでいます。つまり、国内自動車メーカーは、MaaSや自動運転分野において、事実上二分化されているのです。

こういった動向は、新しい分野の技術や車両の研究開発には莫大な費用がかかるため。各社がそれぞれ単独で研究開発するよりも、数社が共同で進めることで、1社あたりの開発コストなどを低く抑えるといった狙いがあります。

複数の企業が「アライアンス(同盟)を組む」といった流れも、近年における自動車業界のトレンドといえるでしょう。

(文:平塚直樹/写真:ダイムラーAG、トヨタ自動車、日産自動車、ビー・エム・ダブリュー、平塚直樹)

この記事の著者

平塚 直樹 近影

平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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