ボルグワーナーのツインスクロールターボエンジンがBMWグループの新しい3.0L直列6気筒エンジンに採用

■「中」と「高」の2つの性能オプションを用意

アメリカに本拠を置くボルグワーナーは、世界19カ国68カ所に生産・開発拠点を持ち、全世界でおよそ29,000人の従業員を擁するグローバルサプライヤーです。

ボルグワーナーは、優れた合金鋼の採用により向上した高温性能を備えるツインスクロールターボチャージャーをBMWグループの新しい3.0L直列6気筒ガソリンエンジン向けに供給しているとアナウンスしました。

BMWの幅広い乗用車に使用されている同エンジンには、「中」と「高」の2つの性能オプションがあり、250~280kWのパワーと500~550Nmのトルクを提供します。

ボルグワーナー ツインスクロールターボ
ボルグワーナー製のツインスクロールターボチャージャーがBMWの新しい3.0L直列6気筒ガソリンエンジン向けに供給

同社のツインスクロールターボチャージャーを6気筒エンジンで採用する場合、複数のダクトが同時に3つのシリンダーに作用し、エキゾーストマニホールドとターボで分かれます。この方式では、排出ガスの脈動流が2つの別々の渦巻きチャンバー(スクロール)を経由してターボチャージャーに入る際、互いに影響しません。2つのノズルがタービンに向けられていて、一方は小型かつ先端が鋭角で低回転時のレスポンスを高め、他方は大型かつ先端が鈍角で高出力要件に対応します。

シングルスクロールターボチャージャーに比べて、ツインスクロール設計は排出ガスからより多くのエネルギーを回収。背圧の寄生損失を最小化し、エンジン低回転時のレスポンスを向上させます。

ボルグワーナーのターボにおける大規模なイノベーションの中核をなしているのは、高度な耐高温性材料を使用し、より高い燃焼温度を可能にしている点。その結果、BMWの高効率排出制御システムを支える、優れた燃料気化燃焼とよりクリーンな排出ガスが実現したとしています。

BMW
BMWのラインナップ※こちらの写真は本記事とは関係ありません。

ボルグワーナーは、高合金鋼などの高品質材料と鋳造を採用し、軽量化につながる製造プロセスを開発することで、極めて経済的なソリューションを提供。

同社のエミッション/サーマル/ターボシステムズの社長兼事業本部長のジョー・ファドゥール(Joe Fadool)氏は

「ツインスクロール技術は、ツインターボのアプリケーションと同等の性能を発揮します。また、より小型のパッケージでより軽量かつ低コストになっています。BMWと共にこのような最新設計の開発と供給に取り組めたことをうれしく思います。同設計には、先進的な高温合金と鋳造術が使われていて、自動車メーカーは、この技術を用いて快適な運転、優れた性能、エンジン低回転時の俊敏なレスポンスを兼ね備えたエンジンを開発することができます。同プロジェクトの成果により、今後BMWの多くの乗用車にボルグワーナーのターボチャージャーが搭載される予定です」

とコメントしています。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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