●3車種を合計するとプリウスを大幅に上回る新車販売台数を記録するヒットモデル
2019年(暦年)の小型車・普通車の新車販売台数は、久しぶりにハイブリッド車のパイオニアであるトヨタプリウスが首位を奪還しました。
プリウスは年間で12万5587台を販売してトップとなったのですが、実はこのプリウスを上回る陰のNo.1があるのです。それがLクラスミニバンのトヨタヴォクシー/ノア/エスクァイアです。
新車販売台数はヴォクシーが8万8012台、ノアは5万2684台、そしてエスクァイアが4万2489台で、合計すると18万3185台でプリウスを大きく上回ります。ではなぜこの3車種は合算できるのかというと、トヨタ特有の理由があるからです。
トヨタは東京の一部を除いて、トヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店と4つの系列があり、一部の車種を除くと取り扱う車種が異なっています。今回取り上げたヴォクシーはネッツ店、ノアがカローラ店、エスクァイアがトヨタ店/トヨペット店と分かれていて、今後は全店舗で同じ商品を扱うことになると、単純計算でトップに立ちます。
この3モデルの人気の高さは記事検索にも表れていて、次期型ノアの予想記事はものすごいページビューとなっています。そこで、新車で人気の高いヴォクシー、ノア、エスクァイアの3兄弟の中で現行型の中古車で買うなら最もお買い得なのはどのモデルなのかを紹介しましょう。
販売台数の多い順に紹介しましょう。まずは最も新車の販売台数が多いヴォクシーです。新車の販売台数が多いこともあり、中古車の流通台数も約3690台と最も多くなっています。3カ月前の流通台数は約3050台で、年明けにピークの約3950台まで増加したものの、現在の約3690台に落ち着いています。
中古車の平均走行距離は3カ月前から約3.1万kmで横這いとなっており、平均価格も約232万円から約230万円と小幅な動きに留まっています。
現行型ヴォクシーの中古車の価格帯は約79万〜約400万円と幅広く、特別仕様車の2.0ZS煌II、2.0ZS煌といったエアロ系モデルが多く流通しているのが特徴です。
続いてはノアです。現行型ノアの中古車は約2100台流通しています。ノアもヴォクシー同様に3カ月前の約1900台から年明けに約2320台まで増えたものの現在は約2100台まで減少しています。中古車の平均走行距離は約3.3万km付近で横這いとなっており、
平均価格は3カ月前の約214万円から約215万の間で推移しておりほぼ横這いといえる動きです。
現行型ノアの中古車の価格帯は約85万〜約392万円でエアロ系グレードの2.0Siが最も多く、それに次ぐのが1.8ハイブリッドGとなっています。
そして最後のエスクァイアの中古車の流通台数は約1620台と、新車の販売台数と同じ順となっています。3カ月前は約1190台だった流通台数は、年明けに約1700台まで増加。その後減少し約1620台となっています。
中古車の平均走行距離は直近3カ月ほぼ約3万kmで横這いとなっていますが、平均価格は3カ月前の約243万円から今月は約238万円へと値落ちしています。
エスクァイアの中古車の価格帯は約99万円〜約376万円となっていて、グレードでは1.8ハイブリッドGiが最も多く、ガソリン車の2.0Giが続いています。
元々新車価格の高いハイブリッド車の中古車が多いエスクァイアの中古車相場が高くなっているのは理解できます。しかし新車では価格に影響しない人気の影響を受けて、ヴォクシーの中古車相場は高くなっていることは中古車ならではといえる動きでしょう。
こうして見ると、この人気のヴォクシー/ノア/エスクァイア3兄弟の中で中古車を購入し最もバリュー感があるのは、ノアということになります。そしてガソリン車、ハイブリッド車もバランス良く流通しているのも理由として付け加えておきます。
(萩原文博)