●i-ACTIV AWDで、街から山まで快適に走破できる
CX-30はマツダの新プラットフォームを採用したマツダ3に続く、新世代マツダ車です。世界的に流行のクーペSUV的フォルムをまとっていることが特徴です。
しかしそのフォルムは大変シティ派で、「スポーツユーティリティビークル(SUV)」とは言いつつも「ラフロードを走れるの?」という感想を抱いてしまうことも確か。
そこで今回クローズドの林間コースを走ってその性能をチェックしてみました。
試乗したのはCX-30のXD プロアクティブ ツーリングセレクションの4WD仕様。SKYACTIV-D1.8のディーゼルターボを搭載したモデルです。
CX-30に採用されているi-ACTIV AWDとはトルク配分をフロント100対リア0のFF状態から前後50対50の直結4WDに近い状態まで場面に応じて様々な変化をさせます。そのトルク配分にあたってはタイヤの動きやGセンサーなどのデータをリアルタイムに処理して行なっています。
4WDとしての基本性能を高める一方で、ネガティブな要素になりがちな燃費に関しても、各所で走行抵抗を減少させる取り組みを行うことで最適化しています。例えば1.8Lのディーゼルターボを搭載したモデルでFFの燃費はWLTCモードで19.2km/lですが4WDにしても18.4km/lとその差は大変小さくなっているのです。
さてそれでは実際にコースに入ってみましょう。
この林間コースではまず斜度のきつい坂を下ります。
CX-30の4WDにはヒルディセントコントロールはついていませんが前後のブレーキ配分が最適化されているため、フットブレーキを普段のように操作していれば車体が斜めにズレ込むこともなく、そして不安なく降りることができます。
続いて、ややぬかるんだ上り勾配に入ります。
こうした場面でもドライバーは特別な操作や気負いをすることもなく、普通に操作をしてあげれば難なく走り切ってくれます。
これは適切な前後トルク配分のほか、最低地上高が175mmと大きく確保されているハードウェア面での効果も出ています。
というわけでCX-30の4WDは不安なくオフロードを走ることができるSUVだということが確認できました。
しかもこの走破性能、標準で履いているサマータイヤのままで成し遂げられたんですよ。
そうそう、今回は必要に迫られるシーンがありませんでしたが、最新の年次改良で4WD全車にオフロード トラクション アシストという機能が追加されました。
これはいわゆるブレーキLSDと呼ばれるもの。タイヤがスタックした際に、空転した車輪にブレーキをかけその他のタイヤにトラクションを優先的に配分することで脱出しやすくさせるシステムです。これによってCXサーティーの悪路走破潜在能力は大きく向上したんです。
(写真・動画・文/ウナ丼)