走るシーラカンスが登場! スカイラインGT-Rも人気の的【佐野ニューイヤークラシックカーミーティング・日産/三菱編】

■2020年佐野ニューイヤークラシックカーミーティング

1月12日に佐野駅(栃木県)周辺で開催された旧車イベント「2020年佐野ニューイヤークラシックカーミーティング」。国内外問わず、幅広い年代の旧車が会場に並んでいましたが、その中から取材班がビビビッと来た参加車両をご紹介しましょう!

●日産

これを見て日産車だとわかる人は少ないでしょう。第二次大戦後、イギリスのオースチンと提携してライセンス生産されたオースチンA40サマーセットです。1954年式ですから66年も前のクルマです。

オースチンA40サマーセット
オースチンA40サマーセット

オースチンに代わり1955年から戦後型ダットサンが生産されます。こちらは57年に発売されたダットサン1000乗用車で、戦後の日本を代表するほど普及したモデルです。

ダットサン1000乗用車
ダットサン1000乗用車

ダットサン1000がモデルチェンジする形でブルーバードが生まれます。こちらはその初期モデルである311型ブルーバードで、グリルに付くFullエンブレムはミッションがフルシンクロになったことを表します。

日産ブルーバード
日産ブルーバード

ブルーバードのシャーシを使って生まれたのがフェアレディ1500です。その後1600に排気量が拡大され、1967年に最終型であるこのフェアレディ2000になります。見事にレストアされています。

日産フェアレディ1500
日産フェアレディ1500

フェアレディ1500をベースに排気量を1600にしてクーペボディをかぶせたのが、こちらの初代シルビアです。ほぼハンドメイドにより生産されたため、とても希少なクルマです。

日産シルビア
日産シルビア

日産に吸収合併される前のプリンス自動車が作った2代目スカイライン2000GT-Bです。このモデルからノーズの長い6気筒スカイラインが誕生しました。日本グランプリの活躍はもはや伝説です。

スカイライン2000GT-B
スカイライン2000GT-B

ここ数年で海外からも注目され相場が1000万円以上になってしまったスカイラインGT-Rです。黒いスチールホイール(純正より太い)を履いているところにオーナーのセンスを感じます。

日産スカイラインGT-R
日産スカイラインGT-R

スカイラインGT-Rは3代目ハコスカで誕生して、この4代目ケンメリで限定生産されました。いわゆる第一世代GT-Rの最後のモデルです。生産台数が200台未満の希少車です。

日産スカイラインGT-R
日産スカイラインGT-R

R32スカイラインGT-Rも参加が可能です。この日はこの1台だけの参加でしたが、そのままサーキットを走れるくらいにモディファイされていました。立ち止まる人が後を絶えません。

日産スカイラインGT-R
日産スカイラインGT-R

かつては日産を代表する車種だったサニーですが、この日はこの3代目210型が1台だけ参加していました。車高を下げてアルミホイールを履くのは昭和のスタイルです。

日産サニー
日産サニー

日産の高級車といえばセドリックでした。この日は5代目の430型が参加しています。430といえば国産車で初めてターボを採用したモデルでもあります。こちらはハードトップモデルです。

日産セドリック
日産セドリック

クルマの脇に立て看板を作って昭和最後に発表されたクルマとアピールしていたローレルです。正月らしくしめ飾りを付けていますが、近年では見かけることは少なくなりました。

日産ローレル
日産ローレル

●三菱

今回は主催者の計らいで三菱車を駅前広場に並べることになり、軽自動車が整列しました。こちらは最古参の三菱360です。三菱初の軽商用車で1961年の発売です。大変な希少車です。

三菱360
三菱360

三菱360をベースに乗用車に仕立てられたのが初代ミニカです。こちらは1964年、1968年とマイナーチェンジが続いた後の後期型です。なんと1オーナー車を最近引き継がれたそうです。

三菱ミニカ
三菱ミニカ

1969年にフルモデルチェンジした2代目ミニカ70です。オーナーは自分でエンジンを積み下ろすことを繰り返して、この極上状態を維持しているそうです。水冷2ストエンジンの最後です。

三菱ミニカ
三菱ミニカ

1972年に4ストとなった3代目ミニカは76年に新規格に合わせて550ccモデルのミニカアミになり、77年に4代目ミニカアミになります。こちらはミニカ55バンで激レアです。

三菱ミニカ55バン
三菱ミニカ55バン

ミニカアミ55(乗用車だけアミと名乗ります)は1981年のマイナーチェンジで異形ヘッドランプを採用します。こちらはその商用車版ミニカアミLエコノです。

三菱ミニカアミLエコノ
三菱ミニカアミLエコノ

mit6
ミニカ同様に三菱360から派生したトラックがミニキャブです。こちらは1971年にフルチェンジした2代目ミニキャブWです。ミニカ同様に水冷2ストエンジンを搭載しています。

三菱ミニキャブW
三菱ミニキャブW

ミニキャブは1989年にバンのエステートをミニキャブブラボーへ改称します。エアコンやパワーウインドーを装備するスーパーチャージャーエンジン仕様と、今なら大人気になりそうです。

三菱ミニキャブブラボー
三菱ミニキャブブラボー

1994年に復活したFTOの元祖がこちらのギャランクーペFTOです。1.4と1.6リッターエンジンを搭載するスペシャリティカーで1971年から1975年まで生産されました。

三菱ギャランクーペFTO
三菱ギャランクーペFTO

FTOがフルモデルチェンジして1975年、ランサーセレステが発売されました。当時提携していたクライスラーブランドから北米モデルが発売されたワールドワイドモデルです。

三菱ランサーセレステ
三菱ランサーセレステ

ランサーセレステは1977年のマイナーチェンジで丸形から角形のヘッドランプに変更されます。なんとこの後期型セレステは1オーナーで維持されているそうです。

三菱ランサーセレステ
三菱ランサーセレステ

1964年から1986年までの22年間も大きな変更なく生産されたため「走るシーラカンス」とも呼ばれたデボネアです。こちらは三角窓があるサターン6エンジン搭載の1970年代前半のモデルです。

三菱デボネア
三菱デボネア

1986年に22年ぶりでフルモデルチェンジされた2代目デボネアVはFFのV6エンジン専用車に生まれ変わりました。こちらは珍しい3リッターV6DOHCの後期型でフェンダーミラー仕様です。

三菱デボネア
三菱デボネア

(文と写真:増田満)

【関連記事】
令和2年のミーティングは佐野駅前からはじまった!【佐野ニューイヤークラシックカーミーティング】
https://clicccar.com/2020/01/18/948552/

2000GTからステップバンまで! 記憶に残る名車が勢揃い【佐野ニューイヤークラシックカーミーティング・トヨタ/ホンダ/いすゞ編】
https://clicccar.com/2020/01/19/948887/

コスモスポーツ、レックス、フロンテクーペなど懐かしい名前がいっぱい!【佐野ニューイヤークラシックカーミーティング・マツダ/スバル/スズキ/輸入車編】
https://clicccar.com/2020/01/21/948978/

この記事の著者

増田満 近影

増田満

複数の自動車雑誌編集部を転々とした末、ノスタルジックヒーロー編集部で落ち着き旧車の世界にどっぷり浸かる。青春時代を過ごした1980年代への郷愁から80年代車専門誌も立ち上げ、ノスヒロは編集長まで務めたものの会社に馴染めず独立。
国産旧型車や古いバイクなどの情報を、雑誌やインターネットを通じて発信している。仕事だけでなく趣味でも古い車とバイクに触れる毎日で、車庫に籠り部品を磨いたり組み直していることに至福を感じている。
続きを見る
閉じる