■ハイテク・ハイパーカーが日本上陸
1月10日(金)~12日(日)まで千葉県・幕張メッセで開催されたカスタムカーショー「東京オートサロン2020」。3日間で昨年を上回る約33万人が来場しました。イベント初日には、日本初のレーシングカーのみのカーオークション「SUPER GT AUCTION -TAS-」が行われました。
このオークションが行われた幕張メッセ・イベントホールにはオークションとは別に展示されている車両があり、その中でも異彩を放っていたのが今回紹介する「ケーニグセグ・ジェスコ」です。
まずケーニグセグという自動車メーカーに聞き慣れないと思います。ケーニグセグ・オートモーティブは、1994年にスウェーデンで設立されたまだ若い会社です。通称「ラプタードア」と呼ばれる、外に開いた後に上下方向に回転する独特の開閉機構を持っているスーパーカーを「可能な限り」自社開発で進めていきました。
2004年から生産された「CCR」は、イタリアの超高速周回路・ナルドにて395km/hという最高速を記録、一躍世界に注目されるようになりました。その後「CCX」というモデルを経て、「アゲーラ」というモデルを2011年から販売。
このアゲーラでは「One:1」という最高出力1360馬力、言い換えると1MW(メガワット)を発揮するスペシャルモデルやハイパフォーマンスモデル「RS」などが製作されました。2017年に封鎖したアメリカ・ネバダ州の高速道路の往復平均最高速度 446.97 km/h (277.87 mph)を記録しています。
現在は、2015年に発表された初の自社開発5LV8ツインターボエンジン+ハイブリッドで1500馬力を発揮するハイパーカー「レゲーラ」の生産に追われています。
少数生産の自動車メーカーとしては困難ともいえる自社開発生産を実現しており、TV、映画、Youtubeそしてゲームといったプロモーション戦略で日本をはじめ世界での知名度は高く、ビジネスも順調です。
そんなケーニグセグが次に打ち出すハイパーカーがこの「ジェスコ」です。
ケーニグセグ・ジェスコに搭載されるエンジンは、レゲーラに搭載されているのを見直して大幅に改良したものを搭載。最大出力は、通常のガソリン使用時で約1300馬力、日本では認可されていませんが、エタノール混合燃料E85使用時はフルパワーとなる1600馬力を発生します。
このビックパワーを無駄なく路面に伝える為に新設計の9速マルチクラッチトランスミッションを搭載。その他、後輪操舵システムなど最新技術を惜しみなく搭載しています。
最高速度は482km/hを目標に開発が進められています。
生産台数は125台。既に完売しています。日本ではケーニグセグ・ジャパンが購入から納車後のメンテナンスまでサポート。
日本国内ではZOZO創業者である前澤友作氏がオーダー済みです。同氏がどの様な仕様で注文したのかは、公式Youtube等で後に明らかになっていくだろうと思われます。
(文・写真:栗原 淳)