■オマージュ系エアロの老舗DAMDとジムニースペシャリストAPIOのコラボ
多彩なカスタマイズカー800台が一堂に会した東京オートサロン2020。様々なジャンルやカテゴリーのクルマがありましたが、売れているだけあってスズキ・ジムニーが目立っていたという声は、オートサロンを長年関わっているスタッフや取材陣からも聞こえてきました。
そんな現行ジムニーのカスタマイズ仕様の中でも独自のテイストを魅せていたのが、DAMD×APIOによるこの一台「SUZUKI JIMNY DAMD the ROOTS.」です。
ルーツと名前に入っている通り、ジムニーの原点である初代モデル(LJ10)のテイストを最新のジムニーを素材にリデザインしてよみがらせたボディキット。この手のオマージュ系カスタマイズを得意としているDAMDと、ジムニーカスタマイズを知り尽くした老舗 APIOとの最強タッグが生み出したジムニーです。
中央に「SUZUKI」と入ったフロントマスクは完全にLJ10をモチーフとしたものですが、初代ジムニーは360cc時代の軽自動車でボディサイズはまったく異なりますから、かなりデフォルメしないと「それっぽい雰囲気」にはなりません。このあたりの違和感のなさはDAMDのセンスとAPIOのノウハウが活きたものといえそうです。
ボディはツートンカラーとされていますが、シルバーの部分は当時のジムニーが採用していた幌をイメージしたもの。幌を止めているビスを再現するなどディテールまでこだわったことが完成度アップにつながっていることは間違いありません。
さらに、塗装面ではエイジング(錆や汚れ)加工を施すことで、何10年も愛されてきたかのような本物のクラシカル感を表現しているのがポイント。ドアに書かれた「自家用」の文字はフリーハンドというのも当時感の演出に一役買っています。
それにしてもエイジング加工が、外連味ではなくこれほど自然に似合う“現行車”のカスタマイズも珍しいかもしれません。このショーカーはジムニーカスタマイズの一例ですが、このように大きく変身させても自然に見えるのは、素材の良さがあってこそ。
東京オートサロンを見続けてきたベテランが声を揃えてジムニーを評価するのも納得です。
(山本晋也)