クルマに乗っている人なら、誰でも脱法行為に2つのタイプがあることを知っていると思う。好例は速度違反と酒気帯び運転です。速度違反の場合、1km/hオーバーであっても違反であり反則金の対象になる。一方、酒気帯び運転は禁止されているものの呼気中0,15mg未満なら罰則無し。今回ゴーンさんに対する嫌疑は、どちらのタイプなのか検察側と弁護側の主張を見ても解らない。
もしかしたら1km/hの違反かもしれないし、はたまたアルコールは検出されたものの検察が「飲んでいた」と主張するだけで、証拠を持っていないのかもしれない。50km/hの速度違反や、酒気帯び運転で事故を起こしたというなら当然逮捕ながら、法曹界の評価を見てもそこまで明確じゃないようだ。もっと言えば、速度違反であっても1km/hオーバーだったら裁判しても有罪にならない。
ゴーンさんが1km/hの速度違反や0,15mg以下の酒気帯び運転的な容疑で逮捕された、ということなら、緊急避難で日本を脱出しても全く不思議じゃありません。日本は『報道の自由度世界ランキング』67位の国。今夜22時からゴーンさんが記者会見するが、日本のメディアは一切受け付けていない。日本で発生した事案なのに日本のメディアを入れない状況を猛省すべきだ。
いずれにしろ今夜の記者会見で初めてゴーンさんの主張が解る。日産側と国側(役人か政治家か解らない)の実名も出すという。誰の名前出るか不明ながら、おそらく内田社長は無関係だと思う。もっと言えば、内田社長の世代になるとゴーンさんとの関係は薄い。現在の経営陣を見ても、大きな影響ないと考えます。焦っているのはゴーンさんの逆鱗に触れそうな人達です。
もう一つ。仮にルノーが進めていた日産との経営統合を防ぐため、日産と日本政府によるクーデターという証拠など出てきたら、ルノーとその背後にいるフランス政府が動き出すと思う。ルノーと日産の紳士協定『RAMA』の詳細な内容は公開されていない。今回のクーデター劇のような戦略を禁止しているのなら、ルノーが日産の株を買い増す可能性も出てくる。
今後の動きは全く予想出来ない。記者会見を注視したい。
(国沢光宏)