■災害時での使用が想定される「ファーストエイドチーム」の一員に
2020年1月6日に東京臨海広域防災公園で開催された東京消防出初式において、3輪電気自動車「Like-T3(ライク・ティースリー)」の緊急自動車が初公開されました。
光岡自動車製の3輪電気自動車「Like-T3」の緊急自動車への登録は、同社のラインアップでは初。 同日、発隊式が行われた「ファーストエイドチーム」の一員として、災害現場における初期対応の迅速化に向け、「Like-T3」の高い機動性と積載量を生かした活躍が期待されます。
車名・型式は、ミツオカ・MT3(2012年8月取得)で、ボディサイズは全長2485×全幅1170×全高1075mm。総定格電力量4.3kWhのリチウムイオン電池を搭載し、約60km(40km/h 定地走行時)の走行が可能。
3輪電気自動車の「Like-T3」は、年々増加する一方の小口配達輸送に特化した商用EVで、2012年8月に型式認定を取得。荷台は最大積載量100kgを備えた荷物運搬を主軸に設計されていて、1人で100kgを運搬するのではなく、2人で協力して運搬できるように2名乗車になっています。
道路運送車両法上の種別は、サイドカーが装着された250cc以下のバイク、側車付軽二輪車。そのため、車検や車庫証明、シートベルト着用義務がなく、道路交通法上では普通自動車とみなされます。
ヘルメットを被る必要もない、普通免許で運転することが可能な「軽自動車と原動機付自転車の中間」という位置づけの車両になります。
充電は家庭用100Vコンセントを使用。安全面では、車両重心を後輪軸へ集約した設計で、最大安定傾斜角40°以上を保持し、高い安定性を実現しているそう。EV特有の力強い加速は、公道走行時の混合交通にも支障なく対応できるものであると同時に、環境に優しく、静穏性にも優れ、今後、様々な形態での利用が期待されています。
これまでに、日本最大のテーマパークであるハウステンボスでの施設管理や、オフィスグリコの置き菓子サービス、各地市場内の配達運搬、有馬温泉や高野山などの観光地における周遊観光業にも利用されているとのこと。
また、一般公道のみならず、東京大学宇宙線研究所の大型低温重力波望遠鏡施設内や、セメント鉱山坑道運搬車、ゴルフ場での構内車といった排出ガスが制限される環境でも活用されています。
(塚田勝弘)