■30〜40代のファミリー層を中心に成約者を獲得
MAZDA 3をベースに、クロスオーバーSUVに仕立てられたMAZDA CX-30。同SUVの初期受注が好調に推移しているようです。
2019年10月24日に発売されたMAZDA CX-30の受注台数は12,346台で、月間販売目標台数の2,500台に対して5倍に迫る受注台数になっています。これには、先行予約分も含まれているものの、まずは好調な出だしを切ったといえるでしょう。なお、発表(予約受注開始)は同年9月20日。
SUVブームという追い風に加えて、MAZDA 3よりも万人受けしそうなデザイン、後席の足元、頭上まわりの余裕、使いやすい荷室など、実用性を考慮すれば、デザインコンシャスといえるMAZDA 3(ファストバック、セダン)よりも売れそう、というのは想像がつきます。
マツダでは、基幹モデルの1台と位置づけているCX-5に続き、今後の柱のひとつと位置づける全く新しいSUVとしていて、MAZDA 3ももちろんそうですが、CX-30という新世代商品群への期待の高さを感じさせます。
最新の安全装備も盛り込まれていて、「MAZDA PROACTIVE SAFETY(マツダ・プロアクティブ・セーフティ)」と呼ぶ同社の安全思想に基づき開発された先進安全技術「i-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)」を標準装備。これにより、「安全運転サポート車」の「サポカーS・ワイド」に全グレードが該当しています。
■マツダが誇る「匠塗」がCX-30でも人気
グレード別の受注構成比は、上品なブラウンの内装に白と黒の2つの本革シートが組み合わされ、上質さを際立たせた「L Package」が36%、先進の安全装備と快適装備を充実させた「PROACTIVE Touring Selection」が48%と、初期受注らしく上位グレードが人気になっています。
人気のボディカラーは、「魂動デザイン」の造形を質感高く際立たせた「ソウルレッドクリスタルメタリック」が25%、樹脂独特のヌメリ感と金属感の融合をイメージしたという新色の「ポリメタルグレーメタリック」が18%となっています。
なお、MAZDA CX-30全国展示イベント(2019年9月27日〜2019年12月22日開催)で来場者から得たコメントからは、「市街地での取り回しが容易なちょうどいいサイズ」「デザインと居住性、静粛性・オーディオが高次元でバランスされた、質感の高い室内空間」「特徴的で美しいエクステリアデザイン」など、スタイリングや機動性、優れたパッケージングが評価されているのが分かります。また、年齢層は、30歳代から40歳代が中心だそうで(ということは、ファミリー層が多そう)、ほかにも幅広い層の顧客を獲得しているようです。
CX-30が加わったことで、CX-3、CX-5と食い合うのではなく、マツダSUV全体の盛り上がりを同社では念願しているはずで、モデルサイクルを通じて販売を維持できるのか注目です。
(文/塚田勝弘 写真/長野達郎、マツダ)