■20年以上かけて開発された世界初の量産型可変圧縮比エンジン
2019年12月23日、日産自動車は機械振興協会主催の「第54回機械振興賞」において、同社の世界初量産型可変圧縮比エンジン「VCターボ」の開発が「機械振興協会会長賞」を受賞したと発表しました。
インフィニティQX50に搭載されている「VCターボ」は20年以上の期間をかけて開発された4気筒2.0Lターボエンジン。可変圧縮比技術により、ピストンの上死点の位置をシームレスに変化させることができるようになり、圧縮比は8:1(高性能)から14:1(高効率)の間で自在に変えることが可能。運転状況に応じて自動的に最適な圧縮比が選択されます。
また、同技術は、燃料消費量と排出ガスの大幅な削減、騒音や振動レベルの低減などの多くの利点がある上に、既存のエンジンに比べて軽量かつコンパクトになるのも特徴です。
独自のクランク機構により、圧縮比を自在に切り替えることを可能とした世界初の量産型エンジンである「VCターボ」。同クランク機構でエンジン振動の抑制を実現したことに加えて、振動抑制に貢献していたバランスシャフトを廃止することで、エンジン高を抑えつつ、1本の偏心シャフトで全ての気筒を制御することにより、高効率と高性能を両立。
この世界初となる量産可変圧縮比エンジン「VCターボ」を開発したことが高く評価されことで、「機械振興協会会長賞」受賞となっています。
(塚田勝弘)