■200万円で「しなやかな走り」とファン・トゥ・ドライブが堪能できる
欧州Aセグメントでフォルクスワーゲン・up! フィアット500などと競合しているルノー トゥインゴは、狭角の曲がり道、石畳もあるパリで生まれたスモールカーです。
日本でも人気で、1995年に初代が導入されて以降、2019年6月には1万台を超えたそう。現在、日本では約4割が女性ユーザー(登録上)だそう。登録は男性で、家族でシェアして乗っている女性はもっと多いかもしれません。
3代目はリヤエンジン・リヤドライブ(RR)になり、スマート(フォーフォー)とのブランド違いの兄弟車にもなっています。2019年8月に受けたマイナーチェンジでは、新しいエクステリアデザインに刷新され、インテリアも装備もアップデートが図られています。
ボディサイズは、全長3645×全幅1650×全高1545mm。2490mmのロングホイールベースにより、ロングドライブでなければ大人4人が座れるパッケージを実現しています。なお、価格は195万円(トゥインゴ EDC)。
具体的には、Cシェイプの前後LEDランプの採用、Cシェイプウインカー(フロント)、前後バンパー、新デザインのアルミホイールなどで、内装では、7インチタッチスクリーンに「EASY LINK」を採用。スマホのミラーリングを使い、スマホ内の各アプリが使えるというものになっています。
そのほか、運転席に座るドライバーの左足と干渉してしまっていたフロアのボックス(小物入れ)が固定タイプになり、しかも左足と干渉しなくなったのも朗報です。ほかにも、車線逸脱警報(LDW)、タイヤ空気圧警報も新たに装備されています。
リヤに搭載される0.9L(0.897cc)は、92ps/5500rpm、135Nm/2500rpmというスペックで、改良前よりも2psだけ引き上げられています。車両重量は1020kg。
数値だけ見るとそれほどパワフルではないように思えますが、低速域からのトルク感、高速域のパンチ力は意外なほどあり、しかも組み合わされるトランスミッションのEDC(いわゆる、デュアルクラッチトランスミッション)が改良前よりもかなりスムーズな変速マナーになったように感じられます。これだけでも、街中でのキビキビ感が増していて、スムーズに走らせやすくなっています。
しかも、短めの全長にも関わらず乗り心地も上々で、ハンドリングは狭い街中で水を得た魚のように生き生きとしていますから、低速域でも十分に楽しめるのもうれしいところ。軽自動車も含めれば日本はスモールカー、コンパクトカー大国といえますが、素のまま(トゥインゴGTでなくても)でも誰もが気軽に楽しめるというのがルノー トゥインゴの魅力といえそうです。
(文/写真 塚田勝弘)