隠れ過ぎてるけど秀逸なホンダ・グレイス、実は生活四駆が雪国で大人気!【清水和夫の好奇真】

メディアはめったに取り上げないけどホンダの中の隠れた名車、レジェンドとグレイスは特筆すべき4ドアセダンだ!と力説する国際モータージャーナリスト・清水和夫さん。

前回のレジェンド編に続き、今回はグレイスをピックアップです。

■あなたはグレイスを知っていますか? なんとAWD仕様もあるんです!

●まさに隠れすぎた名車中の名車、「4ドア・NAエンジン・DCT 1モーター・5ナンバーセダン」とオンリーワンがテンコ盛り

ホンダらしく走る愉しさを提供できるハイブリッドは、レジェンドやNSXだけではない。悪夢のリコールとなったフィットはダイレクト感のあるDCT(ツインクラッチ)というギヤボックスを使った1モーターハイブリッドなので、実はパドルシフトを使うととても楽しく走れるのだ。

レジェンドと同じく、自然吸気エンジンとDCTのコンビネーションは、現在はホンダだけだ。というのは、ポルシェやマクラーレンなどのスーパーカーはDCTにターボエンジンを組み合わせている。あえて言えばポルシェGT3くらいだろうか。

グレイスの走り
かつては日本の主流だったコンパクト4ドアセダンも、見渡すとグレイスくらいか。

そのフィットのプラットフォームを使って5ナンバーサイズのセダンは「グレイス」と呼ばれているが、ほとんど知られていない。「5ナンバー、セダン、ハイブリッド、DCT、自然吸気」と5つも独自の機能を持つグレイスは知られていない名車なのだ。乗り心地ではオールホンダの中でも秀逸な快適性を持っている。

使い勝手もドライビングも、またシートに至るまで物凄く良くできています。

そのシャシー性能にDCTハイブリッドが組み合わされるので、グレイスは外見からは想像できないほどシュールな走りだ。しかも、グレイスには生活四駆(AWD)も用意される。1モーターハイブリッドのAWDは北国の人たちにお勧めできる。

その名前から想像するのは「Grace Patricia Kelly(グレース・パトリシア・ケリー)」。エルメスのケリーバッグは100万円以上もするハンドバッグで有名だが、元アメリカの女優さんで、モナコ公国の公妃となった方。気品に満ちた容姿が「クール・ビューティー」と賛美されたが、ホンダのグレイスもクールカーなのである。

グレイスのコクピット
シンプルかつ機能的なグレイスのコクピット。

【結論】

レジェンドとグレイスの共通点はポルシェGT3にも通じている。自然吸気エンジンの伸び感、DCTの切れのよさ、セダンの使い勝手。この2台はホンダの名車となるはずだ。

清水和夫さん
東京モーターショー20197ホンダブースにて。

(文:清水 和夫/画像:HONDA/アシスト:永光 やすの)

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この記事の著者

清水和夫 近影

清水和夫

1954年生まれ東京出身/武蔵工業大学電子通信工学科卒業。1972年のラリーデビュー以来、スーパー耐久やGT選手権など国内外の耐久レースに参加する一方、国際自動車ジャーナリストとして活動。
自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。clicccarでは自身のYouTubeチャンネル『StartYourEnginesX』でも公開している試乗インプレッションや書下ろしブログなどを執筆。
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