最終戦もてぎ、34号車・64号車のModulo勢2台はタイヤで苦しむ結果に…【SUPER GT2019】

11月3日にツインリンクもてぎで開催された「2019 AUTOBACS SUPER GT Round8 MOTEGI GT 250km RACE」決勝レース。Modulo勢のGT300の34号車 Modulo KENWOOD NSX GT3とGT500の64号車 Modulo Epson NSX-GTは、この最終戦の決勝をどのように戦ったのでしょうか?

コースインをするModuloの2台
コースインをするModuloの2台

●タイヤのピックアップに終始悩んだ34号車

予選はQ2へ進んだものの、ピックアップに悩んだ予選日のフリー走行から決勝レースを見据えた固めのタイヤを選び、タイムを伸ばせずに12番手からのスタートとなってしまったGT300の34号車 Modulo KENWOOD NSX GT3。

34号車のスターティンググリッド
34号車のスターティンググリッド

スタートドライバーは道上龍選手が担当。スタートでなるべくいい位置にマシンを持っていきたいところです。

道上龍選手
道上龍選手

道上龍選手のスタートによりレースが始まったModulo KENWOOD NSX GT3。GT500での6周目までは12位を走行していましたが、7周目から徐々に順位を落としていってしまいます。

Modulo KENWOOD NSX GT3
Modulo KENWOOD NSX GT3

そしてGT500での22周目にピットイン、タイヤを四輪交換し大津選手に引き継いでいきます。

Modulo KENWOOD NSX GT3
Modulo KENWOOD NSX GT3

大津選手にバトンタッチしてもなかなかタイムが伸びません。

Modulo KENWOOD NSX GT3
Modulo KENWOOD NSX GT3

タイムが上がっていかないままGT500・GT300のトップ集団が襲い掛かってきますが、為す術もなく道を譲らざるを得ません。

Modulo KENWOOD NSX GT3
Modulo KENWOOD NSX GT3

最終的には24位という結果でレースを終えることとなりました。

タイヤのピックアップ現象
タイヤのピックアップ現象

この結果に対し道上選手は「タイヤのピックアップが酷過ぎて全くレースにならなかった」と語ります。ピックアップ現象とは路面に散らばるタイヤカスや自車から剥がれ落ちるタイヤカスを自車のタイヤが拾ってしまうこと。これにより大きな振動やグリップ力の極端な低下を招いてしまうのでレーシングスピードで走ることが出来なくなります。

コースへ向かうModulo KENWOOD NSX GT3
コースへ向かうModulo KENWOOD NSX GT3

「ピックアップを避けるために固めのタイヤでスタートしたのですが、それでもピックアップが起こってしまった」と語る道上選手。

ソフトでグリップ力が高いということはそれだけタイヤの粘着力が高いということで、グリップ力がそれほど高くない固めのタイヤであれば少しは粘着力が落ちてピックアップ現象が起こりにくいと判断したようですが、もてぎタイヤカスはそれ以上にしつこくModulo KENWOOD NSX GT3を攻撃してきたようです。

大津弘樹選手
大津弘樹選手

「このままの状態で大津(弘樹選手)に渡すのも酷だとは思ったのですが、策がない以上はこれで行くしかないということでドライバーチェンジの時に苦渋の選択で現状維持のタイヤでの交換で行きました」とも語る道上選手。また大津選手は「いろいろなことを試してピックアップを剥がそうとしましたが、結局のところは酷くなる一方で改善されることはありませんでした」と語ります。

Modulo KENWOOD NSX GT3
Modulo KENWOOD NSX GT3

そして「ブレーキに厳しいもてぎではブレーキにフェードが起きてしまい、ここでも遅くなる要因があった」としながら「世界中のGT3レースの中でSUPER GTだけはスペシャルなタイヤが使えるレースで、グリップ力は一番高い。ブレーキのこともホンダの青山本社やNSX GT3を作るJAS(ヤス)にもフィードバックしていますが、それが来シーズンに生かしてもらえるかどうかは全く分かりません」と道上選手は語ります。

「でも今年のチャンピオンもNSX GT3ですからマッチングを攻めていけばポテンシャルはあると思っています」とも語ります。

Modulo KENWOOD NSX GT3
Modulo KENWOOD NSX GT3

今年の富士500mileレースでは3位で表彰台にも上ったModulo KENWOOD NSX GT3だけに、もてぎの苦渋を跳ねのけ来シーズンの活躍を期待します。

●タイヤを合わせ込めず、不本意な結果となった64号車

予選Q2へ進出し決勝を7番手からスタートしたModulo Epson NSX-GT。悪くない予選順位から決勝レースでの飛躍が大いに期待されていました。

スターティンググリッドでのModulo Epson NSX-GT
スターティンググリッドでのModulo Epson NSX-GT

スタートドライバーはナレイン・カーティケアン選手。しかしスタートしてから徐々に順位を落としていきます。

Modulo Epson NSX-GT
Modulo Epson NSX-GT

6周目までには8位となり、その後ドライバー交代を伴うピットインの際には13位まで後退してしまいます。

牧野任祐選手に交代したModulo Epson NSX-GT
牧野任祐選手に交代したModulo Epson NSX-GT

牧野任祐選手に交代したもののタイムは上がらず、大幅にグリップ力が低下したためなのか残り15周のところでタイヤ交換のために2度目のピットインを喫してしまったのです。

中嶋総監督と両ドライバー
中嶋総監督と両ドライバー

この件について中嶋悟総監督は「タイヤの合わせ込みがうまくいかずに残念な結果となってしまった」と語ります。

ナレイン・カーティケアン選手
ナレイン・カーティケアン選手

スタートを担当したナレイン・カーティケアン選手は「レースは良くなると期待していましたが、パフォーマンスがあまり良くなく、タイヤの問題を抱えていました」と語り、やはりタイヤの合わせ込みに問題があったようです。

牧野任祐選手
牧野任祐選手

牧野任祐選手は「最初からかなり厳しくて予定通りにいかなかったこともあり、良いところも悪いところもあって難しいレースでした」と語ります。具体的には予選の感触を決勝レースに生かせなかったことに悔しさがあるようです。

Modulo Epson NSX-GT
Modulo Epson NSX-GT

しかしながら前戦のSUGOでは2位に入ったこともあり、合わせ込み次第では十分に前に行ける可能性もあるModulo Epson NSX-GT。来シーズンの展開に期待です。

(写真:吉見幸夫、松永和浩 文:松永和浩)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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