日本が誇る2大フラッグシップショーファーカー「レクサスLS」と「トヨタセンチュリー」の決定的違いとは?

トヨタブランドとレクサスブランドは、トヨタ自動車の展開する2つのブランドです。各々に車種展開をされていますが、フラッグシップシップショーファーカーはそれぞれ一つずつです。今回はトヨタブランドとレクサスブランドの最高級車、「センチュリー」と「LS」は何が違うのか、元レクサスディーラー営業マンが解説していきます。

■各ブランドのフラッグシップショーファーカー、「センチュリー」と「LS」

トヨタのフラッグシップカーで、皇室御用達のセンチュリーと、レクサスのフラッグシップカー、官公庁や政治家も多く使用しているLSは両ブランドの双璧を成すショーファーカーです。

●トヨタ:センチュリー

全長×全幅×全高:5335mm×1930mm×1505mm
エンジン:V型8気筒5L

トヨタセンチュリー
漆黒のボディが似合う、日本が誇るショーファーカーです。

●レクサス:LS

全長×全幅×全高:5235mm×1900mm×1450mm
エンジン:V型6気筒ツインターボ

レクサスLS
世界的にも人気のあるLSは、いつでも誰でも高性能を体感できるクルマです。

ボディサイズはほぼ同等であり、エンジンはLSが新開発のマルチステージハイブリッドシステムを採用するのに対して、センチュリーは先代のLSに採用されていたV8を使用しています。車両本体価格も、両者ともに2000万円弱と非常に高価格で売り出しているクルマです。

■誰に魅力を訴求したいのか、どの席が最高の席なのかが違う

後部座席は非常に優雅で居心地のいい空間を提供してくれるこの2台の差は、ドライバーズシートに乗り込むとわかります。オーナーがドライバーであることを考えて作り込んであるのがLS、運転手付きのショーファーカーとしての最高を作り出したのがセンチュリーです。

センチュリー室内
日本人の感性を最大に高めた、究極の内装です。

センチュリーの場合、あくまで主役は後部座席に乗る人です。そのため、リアシート周りの装備は非常にこだわりをもって作られていて、遮音、制音、振動対策がLSよりもしっかりと行われています。先代のV8エンジンを採用したのも、5Lという大排気量を使用することで、エンジン回転数を無駄に上昇させず、振動面、音量面の両面で有利に働かせることができるためです。

ドライバーズカーとしてのセンチュリーは、気持ちいい走りというよりは不安のない走りを楽しめるクルマになっており、クルマは意のままに動くものの、サスペンションストロークやボディのロールなどは少し大きめで、ボディの動きはゆっくりとしなやかです。

センチュリー
Theセンチュリー!って感じでしょうか。

対してLSは、後部座席の装備は豪華ですが、センチュリーほどの細かな気遣いや装飾は行われていません。大きく違うのは、ドライバーズシート周りのボタンの多さと、ステアリングやシートの調整位置です。センチュリーは乗せてもらうことで満足を得られるのに対し、LSはドライバーとしての満足が得られるクルマになっています。

着座面が低く、レーシングカーのように潜り込むような体勢も取ることができて、ステアリングはショーファーカーとしては比較的小ぶりな径に抑えられています。アクセル、ブレーキ、ステアリングの各レスポンスはセンチュリーよりも敏感に感じられ、ドライバー目線でスポーティな走行をする際の姿勢づくりもしやすい印象です。

LS内装
ドライバーズカーとしての性能も非常に高いLSは、是非運転するべきです。

特に微速域(時速10km/h程度)でのペダル反応、ステアリングの反応が素晴らしく、数センチステアリングを切り込む準備をしたときに、その準備段階に対してしっかりとクルマが応えてくれます。センチュリーよりも少し硬めに味付けられた足回りは、ステアリングに対しタイヤの動きをしっかりと伝えてくれて、4輪の接地感、ステアリングを切り込んでタイヤに伝わり、ボディがロールを起こすまでの一連の動きはタイムラグが少なく感じられるので、操縦している楽しさを感じることができます。ハイパフォーマンスカーのようなじゃじゃ馬ではなく、ドライバーの動作に対して素直に応じるすっきりとした操作感です。

静粛性や制振などの、同乗者の快適さを高める項目ではセンチュリーには及ばないものの、ドライビングプレジャーをドライバーとして感じられるLSは、専属運転手にだけ運転させるのはもったいないクルマです。

●まとめ

どちらもトヨタ自動車の誇る最高級車であることは間違いありません。ただし、最高を追求してく中でのベクトルが少し違った方向に向いているのがセンチュリーとLSです。トヨタとレクサスのクルマ作りの違いというよりは、「誰に」対して「何を」訴求したいのか、その相手と訴求ポイントを強く意識したからこそ生まれる違いなのかもしれません。

(文:佐々木 亘)


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