ボディそしてエンジン排気量をダウンサイジング。原点回帰した11代目カローラ【新型カローラ登場記念】

●ハイブリッドモデルが初めてラインナップされた11代目

2019年9月17日、通算12代目となる新型トヨタカローラが登場したのを記念して、50年以上に渡ってマイカーとして人気を誇っているカローラの歴史を振り返るこの企画。今回は旧型になったばかりの2012年に登場した11代目カローラです。

11代目カローラ外観02
ヴィッツと共通のシャシーとなりボディサイズは小さくなった

2011年3月に発生した東日本大震災によって未曾有の大被害を受けた東北地方。その東北の復興を目指して、2012年5月に登場した通算11代目カローラアクシオとなって2代目となる旧型カローラアクシオ、カローラフィールダーの国内向けモデルの生産拠点を東北に置きました。

初代カローラの開発主査である長谷川龍雄氏のメッセージ「地球人の幸福と福祉のためにカローラを」を年頭に、常に時代の変化に応じた価値を創造し安心・実用・扱いやすさを優先したクルマ、それがカローラです。

これにより日本だけでなく世界中のユーザーから支持され、2012年当時で世界累計販売台数は約3900万台に達し名実ともに世界のベストセラーカーとなりました。

11代目カローラ外観03
シリーズ初となるハイブリッド車を設定
11代目カローラ外観04
運転支援システムのトヨタセーフティセンスCを設定

11代目のカローラは、原点に戻り「大人4人が安心・安全、快適に長距離を移動できるミニマムサイズのクルマ」をコンセプトに全てを見直し、日本の市場環境にベストフィットするコンパクトカーに生まれ変わりました。

採用するシャーシをコンパクトカーのヴィッツ用を流用することで、従来型より全長をアクシオで50mm、フィールダーで60mm短縮。最小回転半径を4.9mとするなど取り回ししやすいコンパクトなサイズとしました。しかし、リアシートのニースペースは40mm拡大し、ゆったりと過ごせるスペースは確保しています。

搭載するエンジンはセダンは1.3L、1.5L直4と先代モデルから排気量がダウンサイジング。一方のフィールダーは1.5Lと1.8Lとなっています。

そして2013年の一部改良で1.5Lエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドシステム搭載車を追加。さらに2015年のマイナーチェンジでは1.5L直4エンジンが高効率の新エンジンに換装されています。トランスミッションはCVTを中心に1.5 L車に5速MTが用意されています。

11代目カローラ内装01
インパネの高さを低くして視認性に優れている
11代目カローラ内装02
ボディサイズは小さくなったもののリアの居住性は広くなった

安全装備では車両の安定性を確保するVSCやトラクションコントロールのTRCを全車標準装備したのをはじめ、2015年のマイナーチェンジでは衝突回避支援型プリクラッシュセーフティ、レーンディパーチャーアラート、オートマチックハイビームがセットとなった「トヨタセーフティセンスC」を一部のグレードに標準装備しています。

2016年5月にはカローラシリーズ生誕50周年を記念した特別仕様車が設定され、初代をオマージュした赤いシートが特徴です。2012年デビュー当時の車両価格はカローラアクシオが137万5000円〜208万9000円、カローラフィールダーは151万7000円〜212万円となっています。

(文:萩原文博、写真:トヨタ自動車)

この記事の著者

萩原 文博 近影

萩原 文博

車好きの家庭教師の影響で、中学生の時に車好きが開花。その後高校生になるとOPTIONと中古車情報誌を買い、免許証もないのに悪友と一緒にチューニングを妄想する日々を過ごしました。高校3年の受験直前に東京オートサロンを初体験。
そして大学在学中に読みふけった中古車情報誌の編集部にアルバイトとして働き業界デビュー。その後、10年会社員を務めて、2006年からフリーランスとなりました。元々編集者なので、車の魅力だけでなく、車に関する情報を伝えられるように日々活動しています!
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