■1階から95階までわずか42秒!
いまや世界一の超高層ビルの国といえばお隣の中国。そんな中国で日本の日立がやってくれました。広州市の超高層複合ビルに納入したエレベーターが「世界最高速エレベーター」としてギネス記録に認定されたのです。
記念すべきビルは、広州市の中心部に建つ「広州周大福金融中心」。地上111階建て、高さ530mという目がクラクラする超高層建築ですが、9月10日、その93~108階部分に宿泊施設「広州ローズウッドホテル」が開業し、1階と95階のホテルロビーを結ぶエレベーターが営業を開始したことを受けて、ギネス世界記録に認定されたそうです。
気になるスピードですが、なんと分速1,260m! 時速に直すと75.6kmですから、一般道を走るクルマより速く、競走馬のラストスパート並みです。ちなみに日本一高いあべのハルカスの高層展望エレベーターが分速360m、東京スカイツリーが分速600mと聞けば、速さがケタ違いなことがお分かりいただけるでしょう。1階から95階まで(昇降行程440m)の所要時間もわずか42秒。これは一度乗ってみたいですね。
このエレベーターを作った日立製作所といえば、日本初の超高層ビルである霞が関ビルディング向けに当時国内最速の分速300mのエレベーターを納品した企業でもあります。超高層ビル王国の中国でも、昇降機新設受注台数シェア1位といいますから、今後も活躍してくれそうですね。
(文:角田伸幸)