●12代目の新型カローラはついに「3ナンバー化」。数々の国内専用設計で使いやすさを追求
2019年9月17日、セダンのカローラ、フィールダー改めツーリングを名乗るステーションワゴンが発表されました。一足早く「新型」になっていたハッチバックのカローラ・スポーツとあわせて、3タイプが揃いました。
気になるボディサイズは、セダンが全長4495×全幅1745×全高1435mm。ワゴンのツーリングが全長4495×全幅1745×全高1460mm。今回のセダン/ツーリングのフルモデルチェンジを機に、一部改良を受けたハッチバックのスポーツは全長4375×全幅1790×全高1460mm。
長年、日本市場で使いやすいジャストサイズのセダン・ワゴンとして愛されてきたカローラだけに、開発主査の上田泰史氏は5ナンバーサイズ枠へのこだわりも持っていたそう。
しかし、新型カローラ/カローラ・ツーリングもカローラ・スポーツと同様に、プリウスから使われている「TNGA-C」を使うことで、上記のように全幅がついに1695mmを超えました。
従来型(アクシオ/フィールダー)と比べると、全長は95mm長くなり、全幅は50mmワイドに、全高は逆に50mm低くなっています。ホイールベースは従来比+40mmで、2640mmという数値は当然ながら3モデル同一。
それでも日本国内市場向けは、ハッチバックのカローラ・スポーツと比べると分かるように、全幅は45mmナローになっています。トヨタも駐車場での取り回しなど、大型化のデメリットを重々理解しており、日本の使用環境に配慮した専用設計を施しています。以下の数値は、グローバルモデルとの比較です。
それは、主に駐車場での乗降性などで、格納時のドアミラーを従来型よりもプラス5mm(片側)に抑制。これは、ミラー本体を16mm(片側)上に持ち上げ、さらに内側に17mm寄せて配置することで実現したそう。
ドア寄りに近く配置しながら、風切り音が大きくならないように、フィン形状を追加。さらに、ドアミラーを近づけてもサイドウインドウ昇降を可能にするため、締結部の隙間を確保し、締結位置の見直し(車両外側に1.4mm、上側に2.3mm持ち上げている)が盛り込まれています。
また、ドア断面も日本専用に最適化(ドアが車両内側に約20mm入っている)し、より膨らみを抑えたドア形状に変更。そのために、組み付けとサイドウインドウの昇降を成立させるため、インナーパネルに切り欠きを設けています。さらに、サイドガラスの昇降を成立させるべく、インパクトビームとの隙間を確保し、インパクトビームの小径化、剛性確保のため板厚アップが図られています。
さらに、ドアを全開できない狭い場所でのフロントドアの乗降性を配慮し、ドアトリムの厚みをデザイン性を損なうことなく、マイナス16mmとすることで、乗員の腰回りが出入りできる空間が確保されています。前ドアの腰まわりは従来型同等だそう。
セダンはリヤコンビランプも日本専用設計になっています。荷室スペースを確保するため、リヤコンビランプの前後方向の厚みを抑えられています。バルブの発熱によって中の空気が暖められて壊れるのを防ぐため、放熱空間を確保。容量を確保しながらグローバルモデルよりも18mmの薄板化が図られています。
気になるのは最小回転半径で、セダン、ツーリングともに5.0m〜5.3m。ハッチバックのスポーツは5.1m〜5.3m。先代アクシオ/フィールダーは4.9mですから若干広くなっていますが、上記のような主に駐車場での取り回しに配慮することで、3ナンバーサイズ化のデメリットを抑制しています。
なお、ミラー展開時の全幅(ミラーtoミラー)は、1034mmで先代から19mmプラスとなっています。
(文/塚田勝弘 写真/長野達郎)