ドリフトチャンピオン川畑真人がラリー初挑戦でクラス2位を獲得!【サン・クロレラ アジアクロスカントリーラリー2019】

■まさかのSS中止! まさかのエンジントラブル…波乱万丈のうえ、完走してしかも結果は2位!!

2019年8月10日のセレモニアルスタートから始まった「サン・クロレラ アジアクロスカントリーラリー2019」も最終日を迎えました。

タイからミャンマーの国境を越えるレグ4は、ミャンマーの水害の影響により、SSはすべて中止。それでもイミグレーション(入国)手続きに時間を要したことや、水害地域を移動するだけでもラリーに参戦している気分を味わえるほどの「コース」でした。

国境を跨いだ川畑選手
国境を跨いだ川畑選手

そして迎えた5日目のレグ5。ここで、ドリフトチャンピオンの川畑真人選手ドライブのチーム「FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRES」は窮地に陥ります。

川畑選手「前半はほぼほぼターマックで何事もなく、午後のセクションのまず川のところでエアコンが潰れて、これで続けるのは過酷だなあ、と思ってたら、ミスコースでコマ図と違う道に入ってしまい、その辺りからエンジンがなんとなく重いな、という感じでゴールしたんです。それから修理に入ってもらい、明日本当に走れるのかな、というのが正直なところでした」

川を渡るFLEX プラド_01
川を渡るFLEX プラド_01
川を渡るFLEX プラド_02
川を渡るFLEX プラド_02
川を渡るFLEX プラド_03
川を渡るFLEX プラド_03
川を渡るFLEX プラド_05
川を渡るFLEX プラド_05

そんな状況下で6日目のレグ6を迎えてしまいます。メカニックを務める中央自動車大学校の努力により、プラドが蘇ったのはスタート5分前! そうして、無事完走することができたのです。

FLEX TOYO川畑プラド_07
ゴールした川畑ドライブのFLEXプラド

その完走直後に、川畑選手に一言いただきました。

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川畑選手「昨日の終わりでもうリタイアになるんじゃないかな、と思っていたんで走り出せたことがも6レグのゴールのようなもんでした。今日は順位以前に、急がなくていいや、とにかく完走しないと翔さんに顔向けできないなと。自走で完走できるチャンスをいただいたので、淡々と走ることができましたね。最後まで攻める姿勢も大事な時があるでしょうけど、これがラリーかな、と感じることができましたね。まずは今年は完走、そして来年はどうするかとか考えることができるんじゃないかな。」

ゴールした川畑真人選手_01
ゴールした川畑真人選手_01

−−−「ゴールした瞬間の顔が、笑顔でもなく、疲れ切った顔ともちょっと違う表情に見えましたが。」

川畑選手「すごい満足っていうか、ホッとしましたね。こんな一週間はこれまでなかったです。ラリーの世界って魅力的だなと思いましたね。」

−−−「これからも挑戦したいですか?」

川畑選手「そうですね。ランクルでもジムニーでも買ってみようかな、と思いましたね。」

−−−「最初のラリーとのイメージとは変わりましたか?」

川畑選手「ただ土の上を早く走ればいいんでしょ、というのが全然違ってましたね。ラリーの奥深さが少しだけわかった気がします。」

−−−「コドラと走るのも他にないですね?」

−−−「とにかく深野さんは冷静でした。いかなる場合でも、状況判断ができる素晴らしいコドラだと思いました。自分が暴走するタイプなんでそれを抑えてくれるのが素晴らしいですし、僕もそれに合わせることができたときにいい結果になりそうです。また機会があればご一緒したいですね。」

−−−「TOYO TIRESについてはどうでしたか?」

川畑選手「絶対の安心感がありますね。何よりも一度もパンクしなかったし。僕とトーヨータイヤさんは一体なので、ドリフトもラリーもその他の競技でも切っても切れないパートナーだなと思ってます。

AXCR2019_FLEX_TOYO-TIRES_01

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ここまでは、完走できたというだけで、まだ、正式なリザルトは出ていません。この後、表彰式が行われ、チーム「FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRES」はなんとクラス2位を獲得! 直後にインタビューを試みました。

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−−−「2位ですよ、初挑戦で。いかがですか、この結果は。」

川畑選手「いやー、出来過ぎですよ、僕自身にとっては。一度はリタイヤも覚悟してたんで、そこから走れて、3位になればいいなと思ってたんですけど、それが2位になって。だったらクラス優勝も?なんてちょっと湧いてきて(笑)」

表彰式_01
表彰式_01

−−−「2位になれた原因はなんだと思いますか?」

川畑選手「トラブルが起きてもみんなで力を合わせて、対処できたってことですね。長丁場を同じ方向を向いて頑張れたってことでしょうね。5日目の夜は絶望も感じましたので、波乱万丈のラリーでしたね。」

−−−「ラリーとドリフトの共通するところは?」

川畑選手「共通するのは、強いチームというのは団結力ですね。それはどちらも一緒です。違うところは運転の仕方ですね。滑った時のコントロールができるとか、滑りやすいところで速く走らせることが出来るというのでラリーで速い運転が出来る、というのは違いますね。これは間違いなく言えます。その期間中、クルマやタイヤを壊さないでコントロールできる、全てにおいて一週間を戦える、いたわりを持って運転ができる、プラス速さ…もういっぱいありすぎてわからないくらいです。」

−−−「この一週間、精神的にどうでしたか?」

川畑選手「いや、もうすごかったですよ、浮き沈みが激しくて。最後が笑顔で終われたところがよかったですね。最高です。」

−−−「もう一度お聞きしますけど、来年も参戦したいですか?」

川畑選手「この結果で、もう一度やらせて欲しいということも少しはできるかな、と思いますし、やるからには優勝を目指したいとですね。来年ラリーに出る話は、これから日本に帰ってやりたいと思います。その時は、すごく強い態勢で来たいです。」

表彰式_06
表彰式_06

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結果が出ていない完走直後と、結果がわかった表彰式後で、明らかに表情が違っていました。そして、来年への意気込みも違ってきています。フィールドの違いはあれど、やるからにはチャンピオンを取りにいく、川畑選手の目で訴えているものの大きさが、その表情を見てよくわかりました。

ぜひ来年へ繋げていって、一つ上の結果を期待したいところです。

(文・写真:クリッカー編集長 小林和久)

この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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