フランスからやってきた小さなオシャレ番長! CX-3とサイズは近いがオーラと存在感が凄い【新型DS3クロスバック試乗記】

■デザインが武器の小さな高級クロスオーバーSUV

全長4120×全幅1790×全高1550mmというボディサイズを持つ新型DS3クロスバックは、シトロエンから高級ブランドとして独立したDS AUTOMOBILES(DSオートモービル)のBセグメントのプレミアムSUVです。

DS3クロスバック
DS3クロスバックのフロントビュー

全長4275×全幅1765×全高1550mmのマツダCX-3、全長4200×全幅1795×全高1500-1530mmのアウディQ2あたりと近いですが、DS7クロスバックと同じように解き放つオーラは独特で、小さくても圧倒的な存在感があります。

DS3クロスバック
DS3クロスバックのサイズ

エンジンは1.2L直列3気筒ターボ、トランスミッションは8速ATを搭載しています。価格は299万円~404万円です。

DS3クロスバック
DS3クロスバックのリヤビュー

内・外装ともに安っぽさをまった抱かせない、小さな高級クロスオーバーSUVという佇まいで、現時点で直接競合するライバルは不在でしょう。シトロエンブランドのC3も内・外装の仕立てや色気は十分に感じられますが、質感や雰囲気作りは、一枚も二枚も上手という印象を受けます。

●内装のぶっ飛んだデザインに驚いた!

とくに、ダイヤ型のデザインが採用されているセンタークラスターや「クルー・ド・パリ」と呼ばれる装飾が施されたシフトレバー両サイドのデザインなどは、個人的には超高級車をのぞき、BMW製MINIのトグルスイッチを初めて見た時以上のインパクトを受けました。

DS3クロスバック
DS3クロスバックのインパネ

また、DS3クロスバックには、運転席に乗り込む前から仕掛けが施されています。キーを携行してクルマに近づくと、自動的にロックが解除され、アウタードアハンドルが手前にせり出してくる「リトラクタブルドアハンドル」はスマートな所作でドアロック/アンロックが可能。

DS3クロスバック
DS3クロスバックのリトラクタブルドアハンドル

キーレスエントリーシステムの発展形である「プロキシミティスマートキー」は、キーを検知するとドアミラーの展開、先述したドアハンドルのポップアップ、ドアの解錠などが行われるもので、キーを携行して車から離れると自動でドアを施錠し、ドアハンドルとドアミラーを格納。こうしたドアミラーなどの展開・格納は、好みに応じてディスプレイの車両設定から行えます。

アウタードアハンドルが自動的に展開されるのは、ジャガーランドローバー各モデルでもお馴染み。ただし、コンパクトクラスで採用していることからもDSオートモービルの高級ブランドであることの強い主張がうかがえます。

●運転ポジションはアップライト。居住空間・積載性も十分

運転席に乗り込むと、グループPSAの一員らしい小径ステアリングが目に飛び込んできます。右ハンドル化されていても、ステアリングとブレーキとアクセルペダルのオフセットがほとんど見られず、アップライトな運転姿勢が特徴的。前席はヒップポイント、アイポイントともに少し高めで、見下ろすような感覚ではないものの、視界もまずまず確保されています。

DS3クロスバック
DS3クロスバックのフロントシート

後席はBセグメントのSUVとしては平均的な広さで、身長171cmの筆者が乗り込むと前席座面下に足が入り、膝前にも余裕があります。サイドシルが分厚く、後席座面が少し低めなので乗り降りは少し気を使いますが、急なゲストからクレームが来るようなものでもありません。前後席ともにシートサイズが大きく、とくに前席は適度な包まれ感があり、長距離でも疲れを誘わなそう。

DSクロスバック
DS3クロスバックのリヤシート

荷室容量は通常時の350Lから後席を前倒しすることで1050Lまで拡大します。現在のCセグメント(ハッチバック)の荷室容量が350Lくらいから少し広い程度ですから、1550mmという機械式立体駐車場に入る全高に抑えながらも、実用性は十分に担保されています。ユーザー層としては、子どもがいるファミリーよりも独身の方やディンクスなどが思い浮かぶような、洒落たクルマですから積載性も問題ないはずです。

DS3クロスバック
DS3クロスバックのラゲッジ

(文/写真 塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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