●「ピレニードライブ」の来年度発売を目指し、シャープが生産プログラムを支援
ドライバーサポート機能を備えたドライブレコーダーが増えています。先行車との車間距離をドライバーに知らせたり、車線からはみ出した際に警告したりする機能で、最近の新車であれば軽自動車でもオプション設定まで含めればポピュラーといえる存在になっています。
一方で、これら安全装備の設定がないクルマに乗っている方も多いはずで、ドライブレコーダーなどがそうした役割を担ってくれます。あくまで警告レベルにとどまるとはいえ、ヒヤッとする瞬間を減らしてくれるかもしれません。こうした後付け装置を選ぶのもひとつの手といえそうです。
Pyrenee (ピレニー)は、クルマに後付けするタイプで、ヒューマンエラー(発見の遅れや判断の誤り)による事故を減らすことを目指したAIドライバーアシスタント「Pyrenee Drive(ピレニードライブ)」を来年度の発売を目標に開発しているそうです。
AIドライバーアシスタントを備えた「Pyrenee Drive」は、道路上をモニターするステレオカメラ、ドライバーの顔認識を行うインカメラ、リアルタイムでAI計算を実行するNVIDIA(エヌビディア)製の高い処理能力を有するGPUチップ、タッチパネル液晶ディスプレイ、LTE通信モジュールからなるアイテム。
本体に搭載されるAIが物体認識と危険予測を担い、事故の可能性を検知すると、素早く音声とポップアップでドライバーに危険が迫っていることを知らせます。さらに、独自の音声アシスタントやドライブレコーダー、ナビゲーション、音楽再生、通話などにも対応する仕様になるそう。発売後も全ユーザーが体験した危機状況の映像やデータをクラウドに集めてAIの追加学習を続け、学習を重ねるごとに予測精度と予測速度を上げる予定としています。
今回、「Pyrenee Drive」の量産に先立ち、シャープと2019年5月にハードウェアの量産に関する支援協定を締結。Pyrenee社はシャープの量産アクセラレーションプログラムによる支援を受けて、完成度の高い製品の量産を目指すとしています。 また同社は2017年10月にエヌビディア社の国際的AIスタートアップ支援プログラム「NVIDIA INCEPTION PROGRAM」の日本パートナーに採択されていて、エヌビディアの支援とともに最新のAI技術を開発していて、それらの成果も製品に逐次、反映していく予定と発表しています。
多彩なアイテムにより普及が進むドライブレコーダーだけでなく、こうした後付けのドライバーサポート系アイテムが今後さらに増えていくと思われます。
(塚田勝弘)
【関連リンク】
Pyrenee | Pyrenee Drive 製品概要
https://www.pyrenee.net/pyreneedrive