第4戦オートポリスでModulo CIVIC今季初勝利【スーパー耐久2019】

●今期のフラストレーションを一気に解消するかのような激しい走りが連発

7月21日に大分県のオートポリスで開催されたピレリ スーパー耐久シリーズ第4戦「TKUスーパー耐久レース in オートポリス」のST-TCRクラスで、Modulo CIVICが今季初優勝を飾りました。

20日に行われた予選で植松 忠雄選手が渾身のアタックによりAドライバー予選のトップタイムをマークするも、Bドライバーとの合算タイムによる予選順位算出により決勝グリッドは3番手からスタートすることとなったModulo CIVIC。

スターティンググリッドから第一コーナーが見えないような霧と雨がレースそのものを無しにするかのごとく立ち込めていましたが、マシンがスターティンググリッドに並ぶ頃には霧は晴れ、雨もかなり小降りとなりレーススタートには影響がないというところまで天候が回復。

スタートドライバーはSUPER GTや全日本F3選手権でもすでにおなじみの大津弘樹選手。

このModulo CIVICには元F1ドライバーの中野信治さんも選手として名を連ねます。

午前11時30分、フォーメーションラップの後にローリングスタートでレース開始となります。そのスタートを絶妙に決めたのがModulo CIVICの大津弘樹選手で、オープニングラップのうちにトップに立ちます。SUGO3時間、富士24時間と2戦のリタイアを喫していることもあってウエイトが軽いという強みから瞬発力に差がついたようです。

序盤、Modulo CIVICをぴったりマークしてきたのが4番手からスタートしたWAIMARAMA KIZUNA Audi RS3 LMS。1時間経過前後で一度Modulo CIVICはトップを明け渡してしまいますが、そのタイミングでピットイン。中野選手にハンドルを預けます。

この時は雨が上がっていたためにスリックタイヤで飛び出していったModulo CIVIC。しかし再び弱い雨が薄っすらと降ってきたこともあって思うようにタイムが伸びていきません。しかし、その悪条件の中でもベストを尽くして41ラップを周回し植松選手に託します。

途中、数回のFCY(フルコースイエロー)もあって前のライバルとの差も徐々に詰まってくると、中野選手曰く「今シーズンで一番乗れてる」と言わしめた植松選手の闘志が再び燃え上がります。

その植松選手のみなぎる闘志が、担当した43ラップのうちにModulo CIVICを再びトップに押し上げていきます。まさに鬼神の如き走り。

そしてラストスティントで再び大津選手にハンドルが託されます。すると、これまで小雨を保ってきた天候が急激に崩れ始め大粒の雨が本格的に降ってきます。そして風も強まり、雨は横殴りとなってきたのです。

今シーズンはSUPER GTでも全日本F3選手権でも雨の中でかなりのパフォーマンスを見せてくれている大津選手ですが、「やっぱり雨は苦手ですよね」と語ります。しかしそんな言葉はどこかに吹き飛ぶくらいのペースでトップを守りきっていきます。

しかし4時間経過の15時40分ころにクラッシュ車両が出たため4回目のFCYが提示され、また雨の激しさが増したばかりではなく霧によって視界も悪くなってきたためにセーフティーカーも導入されることとなりました。

天候の回復が見込めないため16時21分ころに提示された赤旗をもって決勝レースは終了。この時点でModulo CIVICの優勝が確定しました。

昨年のチャンピオンチームが今年はなかなか勝ちに行けないというフラストレーションを一気に解消するかのような激しい走りが連発したオートポリス戦。赤旗中断でのレース終了は心残りがありますが、それでもModulo CIVICらしい攻めた勝ち方だったのではないでしょうか。

悪天候のためステージトラックでの暫定表彰式となりましたが、シャンパンファイトの様子を見ればこの勝利がいかに重要で嬉しいものだったかがおわかりただけると思います。

次戦は9月14日・15日に開催される第5戦 もてぎスーパー耐久 5Hours Race。Modulo CIVICの活躍に期待です!

(写真・文:松永和浩)

 

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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