2018年のオービス取り締まり件数は5万以上。その中で圧倒的に多い都道府県はあそこだった!

■オービス取り締まり件数の第1位は大阪府! 全国合計の3分の1以上を占める

オービスの取り締まり件数を知ろうと、警察庁に対し情報公開法に基づき開示請求した。

出てきたのは「速度違反自動取締装置等による取締り状況」という文書。交通局交通指導課の作成だ。新型オービス(東京航空計器のスキャンレーザー式とSensys Gatso Groupのトラッキングレーダー式。ネットでは「移動式オービス」と呼ばれる)の取り締まり件数は含まれていないそうだ。

2018年のオービス取り締まりは全国で5万0523件。都道府県別データのトップ5はこうだ。

第1位 大阪  1万9023件
第2位 北海道   5748件
第3位 兵庫    5030件
第4位 東京    3432件
 ※警視庁=東京都の警察本部
第5位 愛知    2756件

大阪が突出している。大阪だけで全国合計のなんと3分の1以上を占めている。

どうしてこんなことになるのか。

阪神高速には、レーダー式測定機、カメラ、ストロボが一体になった巨大な箱形のオービスが多数ある。フィルムを使わず、撮影した画像は通信回線で警察の中央装置へ送るタイプ(画像伝送式)として1986年、阪神高速に初めて登場した。この箱形のオービスは阪神高速で『増殖』し、他の都道府県にはない。

阪神高速の箱型オービス
阪神高速の箱型オービス

(写真提供:オービスマニア氏)

加えて阪神高速は、制限速度が時速80キロの区間もあるが多くは時速60キロで、夜間(日出から日没までの間)は騒音対策のためか時速50キロになったりする。終日時速50キロ、時速40キロの区間もある。

かつ、他の都道府県に比べて設定速度が低いのかもしれない。設定速度とは「これ以上の超過速度なら撮影して取り締まる」とあらかじめセットしておく速度だ。
そんな事情もあるのだろうか、大阪のオービス取り締まり件数は突出して多い。

●1996年と比べると 、他都道府県は激減する一方で大阪だけが大幅増!

ちなみに、私の手元に1996年からのデータがある。オービス取り締まり件数のピークは2000年で、全国合計は2018年の3倍を優に超える18万1758件だ。

当時のトップ5はこうなっている。

第1位 兵庫  1万8806件
第2位 愛知  1万4919件
第3位 東京  1万3130件
第4位 大阪  1万2001件
第5位 北海道 1万1480件

2018年のトップ5と比べていただきたい。兵庫、愛知、東京、北海道は激減したのに、大阪だけが1万9023件へと大幅に増えているのである。尋常じゃない。

大阪の道路、とくに阪神高速を運転するときはご注意を!

(今井亮一)

【関連リンク】

・阪神高速道路の規制速度(阪神高速道路株式会社 ドライバーズサイト)
https://www.hanshin-exp.co.jp/drivers/driver/rule/speed/