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■速さと安定感を両立してSP3Tクラスの頂点に!
●目標に掲げていた9分切りは来年に持ち越し
2019年のニュルブルクリンク24時間レースが終わりました。予選から好調を見せていたスバルWRX STI。レースでも序盤から快調に周回を重ね、トラブルらしいトラブルを見せずチェッカーを受けました。その結果、スバルは目標であったクラス2連覇を達成し、総合順位でも19位に入る素晴らしいを残しました。
今回のレースで目標としていた9分切りは惜しくもなりませんでしたが、予選では9分1秒台、決勝でも9分3秒のファステストをマーク。同じクラスのマシンを凌駕し、さらには上のクラスのマシンを攻め立てるほどの素晴らしい走りを見せてくれました。
●ドライバーのコメント
ファイナルドライバーとしてチェッカーを受けたカルロ・ヴァンダム選手は「とてもタフなレースだったし、難しい場面もあった。でも、暑い場面でも乗り越えられたし、誰もミスを起こさなかった。パーフェクトなレースだったね」とコメント。
ティム・シュリック選手は「セッティングで悩ましいところもあったが、クルマに恵まれていたね。ちょっとGT3マシンと接触してしまったが、ミスはそれくらい。とてもハードだったけど、いいレースだった」と答えてくれました。
予選から9分切りを目標に掲げていた山内英輝選手は「ホッとしたというのが一番。個人的な目標はクリアできませんでしたが、完璧な勝利で終わることができたのが良かったです」と冷静な返事をくれました。
井口卓人選手は「ニュルには何年も参戦していますが、こんなにトラブルが無かったのは初めてかもしれません。スタッフ全員の準備と整備のおかげと、ファンのみなさんの応援がクルマに届いて女神様が微笑んでくれたのかもしれません。チームとして9分が切れなかったのは悔しいですが、それがレースに対するモチベーションにもなっているので、今後も目標にしていきたいですね」と、悔しさと嬉しさが合わさった感想を聞かせてくれました。
●辰己英治総監督と平岡泰雄社長のコメント
「ちょっとひやひやした部分はあるけど、去年の反省を活かした準備ができたと思います。自分たちをより高めて、24時間走り切れるクルマを作り上げられたことが勝利に結びつきました」と、辰己英治総監督は勝利の余韻に浸りつつも、冷静にレースを振り返りました。
STI(スバルテクニカインターナショナル) の平岡泰雄社長は「楽しかったけど、ドキドキしました。戦闘力が高いマシンに仕上がってはいましたが、他車に巻き込まれてクラッシュしてしまうこともあるのがニュルなので、そうしたアクシデントが無くて良かったです。ただ、マシンはまだまだ改善していかないといけない部分もありますので、次に向けて準備をしていきたいと思っています」と、ニュルを観戦した感想と今後の展望を教えてくれました。
また、「ドイツにこんなにもスバルのファンが大勢いて、日本のファンと同様に応援してくれているのには驚きました」と、ドイツ&日本のファンに感謝の気持ちを語ってくれました。
クラス2連覇を果たしただけでなく、昨年よりも総合順位をアップするなどノートラブルで完璧な勝利を果たしたスバル。来年の3連覇&9分切りも大いに期待したいところです!
(撮影・文:雪岡直樹)