素朴な疑問。同じ数字のナンバーはいくつ作れるのか調べてみた!

■みんなが希望する数字のナンバーは品切れにならないの?

●希望番号制により一部の数字に人気が集中しているが…

運転中、前のクルマのナンバーの語呂がよかったりすると嬉しくなりますよね。そのナンバーの数字ですが、1999年に希望番号制が始まったこともあり(※軽自動車は2005年から)、「同じ番号をみんなが希望したら品切れになっちゃうんじゃないの?」と思ったことありませんか?

そこで、普通車ナンバー(いわゆる3ナンバー)を例にとって、4桁部分の数字が同じナンバーがいくつ作れるか考えてみました。

●分類番号は数字とローマ字の組み合わせに

はじめに、同じ番号が複数作れる理由ですが、ナンバープレートの上にある3桁の数字(「品川3〇〇」の部分。これを分類番号といいます)と、左端にあるひらがなの組み合わせが変えられるからですね。この組み合わせパターンの数が、そのまま同一番号が存在できる数になるわけです。

まず最初に分類番号に注目します。この部分、数字としては300から399まで100通りあるのですが、「399」は特殊用途で一般には使われないため、99通りになります。

ところが! 2018年から状況がややこしくなりました。数字だけでは分類番号が払底してしまい、あらたにローマ字が導入されたのです。しかしローマ字全部が使われるのではなく、数字と間違えやすい文字などは除外されました。具体的には下2桁について、以下の10文字が使われます。「3AA」とか「3LX」とかになるわけですね(クルマ好きの方には残念ながら32Rとか13Bとかはできません)。

A、C、F、H、K、L、M、P、X、Y

このローマ字を数字と合わせて改めて組み合わせを考えると、一の位が20通り×十の位20通り―1(特殊用途の399を引く)ということで、399通りになるわけです。

●ひらがなの「お、し、へ、ん」はどこにも使われない

次にひらがなを見てみましょう。自家用に使われているのは、以下の29文字になります。

さすせそ、たちつてと、なにぬねの、はひふほ、まみむめも、やゆ、らりるろ

参考までにこのひらがな部分、レンタカーだと「わ、れ」になるのは有名だと思いますが、事業用車両では「あいうえ、かきくけこ、を」が使われ、駐留軍人の私用車両には「E、H、K、M、T、Y、よ」が使われます。そして「お、し、へ、ん」の4文字は、紛らわしさやゲン担ぎからいっさい使われていません。

●同一ナンバーは1万台以上作れる!

さて、答えが見えてきました。同一地域内で作れる同じ数字のナンバーは

399 × 29 = 11,571通り

ということになりました!

いかがですか。同じ品川の3ナンバーでも、同じ数字が1万台以上に交付できるのですね。この数字はあくまで「交付できる最大値」ですが、これならそう簡単に数字が品切れになることはないでしょう。ちなみに希望番号制で圧倒的に人気なのは、「・・・1」だそうです!

※都道府県や運輸支局によって運用が異なる場合があります。

(文:角田伸幸)

この記事の著者

角田伸幸 近影

角田伸幸

1963年、群馬県のプロレタリアートの家庭に生まれる(笑)。富士重工の新米工員だった父親がスバル360の開発に立ち会っためぐり合わせか、その息子も昭和期によくいた「走っている車の名前が全部言える子供」として育つ。
上京して社会人になるも車以上に情熱を注げる対象が見つけられず、自動車メディアを転々。「ベストカー」「XaCAR」で副編集長を務めたのち、ポリフォニー・デジタルにてPlayStation用ソフトウェア「グランツーリスモ」シリーズのテキストライティングに携わる。すでに老境に至るも新しモノ好きで、CASEやパワートレインの行方に興味津々。日本ディープラーニング協会ジェネラリスト検定取得。大好物は豚ホルモン(ガツとカシラ)。
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