ホンダの250馬力船外機「BF250」、タイヤや燃料タンク無しで価格241万円は高い?安い?

■走らせるためのプロペラ無しはタイヤ無しと同じ?

ホンダが船外機エンジンを作っていることは皆さん御存知だと思うけれど、世界市場に於けるポジションや評価などについては考えたこともないだろう。そもそも船外機という商品、自動車業界からすればデラタメです。今回発表された250馬力船外機もそうだけれど、フネを走らせるためのプロペラすら標準装備されていない。クルマでいえば「タイヤ無し」ということです。

そればかりか、燃料タンクやメーター類、アクセル関係まで標準では付いていない。そして価格は意外なほど高いのだった。例えばフィットと共通の1500ccエンジンを使う80馬力だと118万円。エアコンやブレーキ、ドア、横滑り防止装置やエアバッグだって付いていないことを考えたら高いと思う。もう少し踏み込むと人気商品を作ればしっかり利益を上げられるワケ。

ちなみに安価な中国製の船外機が出てこないのは、信頼性が極めて重要だからだ。海での故障は処理に大きなコスト掛かるばかりでなく、陸から30分走った場所でエンジン止まったら死ぬことだってあります。荒れた海では船首を波に向けていないと転覆する。だからこそ船外機ビジネスが成り立っているのは、世界規模で考えたらホンダとヤマハ、スズキ、マーキュリーくらい。

そんな船外機ビジネスは、現在2つに分かれている。1つは漁業など「働くフネ」用の比較的小さいエンジン。そしてお金持ちがプレジャーボート用として好んで使う大出力エンジンだ。意外かもしれないが、ホンダの強みは働くフネ用の船外機です。本田宗一郎さんが「海を汚さない」という信念で開発した4ストローク船外機が(それまでは2ストロークが主だった)大ヒット。

漁師さん達は「海を汚さない」(ノリ業者などは商品性を高めるため4ストを評価した)という点より燃費の良さと信頼性でホンダを選んだ。ただこのジャンル、ヤマハやスズキなども黙っておらずホンダの1人勝ちということになっていない。加えて近年、販売台数が伸びているのはプレジャーボート用の大出力船外機である。何と言っても複数搭載が普通です。

上の動画は557馬力船外機を3基搭載したフネ。今や2基搭載が普通で、4基掛けや5基掛けもある。漁師さんは10年に1度、80馬力くらいの船外機を買ってくれるお得意さんながら、プレジャーボートなら250馬力の船外機3基を4~5年に1度買い換えてくれるのだった。今回ホンダが発表した250馬力船外機は、そういった太い人達を考えたモデル。クルマならスポーツカーですね。

557馬力×3基掛けフルパワー!

今回ホンダ青山本社前に展示されていたフネはベネトウの『アンタレス8』は艇体長6,99mという23フィートの小型艇ながら(クルマならリッターカー級)、2000万円程度する。250馬力船外機を搭載するフネとしては最も小さいサイズ。250馬力3基掛けだと下を見て5000万円級のため、241万9千円の船外機など定期交換部品のような感覚だと思う。浮き世離れした世界です。

フェラーリもポルシェもフネの価格からすれば、むしろ安い? 残念ながら大出力クラス、ホンダは完全に出遅れてしまった。今や主流が350馬力になっており、すでにヤマハもスズキもラインアップしている。ホンダは働く船外機にこだわったため、大出力多数搭載に対応していなかった。新型250馬力で、やっと多数搭載用の電子スロットルも付けられるようになったほど。

ちなみにホンダ船外機のストロングポイントは耐久性と信頼性、そして燃費である。走行抵抗の大きいフネは1速ギア全開で走るのと同じ。250馬力のエンジンを80%の200馬力(クルマなら200km/h出ます)で2000時間使うくらいなら問題無し。クルマなら40万km走れる計算だ。ホンダは250馬力船外機を2基搭載した試乗艇を来月用意するというので試乗が楽しみです。

『ホンダ』の最新記事
全身くまなく無限パーツをまとったシビックタイプR。流れるウインカーも開発【シビック タイプR用無限パーツ】
フランクフルトショー’19への日系ブランド出展がホンダ1社のみだった理由とは?
無限シビックタイプR 走り
ショックアブソーバーなどは変更せず、ホイールの変更だけでセッティングを出す【シビックタイプR 無限パーツ装着車】
無限インサイト前7/3
モデルごとに異なるコンセプトを採用。各車の魅力をアップする無限パーツ【ホンダ・Nワゴン/インサイト/CR-V 無限パーツ装着車】
ホンダ・フリード
新型フリードをよりアグレッシブに、より便利に変身するホンダアクセスのアイテム【新型フリード登場】
この記事もよく読まれています

あなたにおすすめの記事