フロントグリルはレクサス史上最大! ついにレクサスがミニバンはじめる理由【上海国際モーターショー2019】

●プレミアムカーだってミニバンのほうが快適だから!?

あまりにも突然すぎてビックリした、「レクサスがミニバンを始める」というニュース。自動車雑誌やウェブのスクープ記事でも見かけなかったので、まさに寝耳に水でした(レクサスは上手にスクープ情報流出を阻止しましたね!)。

車体のベースはトヨタの「アルファード」&「ヴェルファイア」ですが、もちろんエクステリアは変更されています。フロント&リヤデザインのほか、外板ではスライドドアもモールの追加で鉄板自体が異なる専用デザインですね。

それにしてもグリルの大きいこと、大きいこと。高さはLSの約1.5倍あり、幅もLSより大きい。いうまでもなくレクサス史上最大のグリルです。まるで大きな口だから、クルマの前に立ったら食べられちゃいそうですね(笑)

それにしても、どうしてレクサスがミニバンなのか? 気になるところですよね。レクサスの広報担当者によると、「新しい価値をどんどん提供していこう」という考え方とのこと。

かつて、「ショーファードリブン」と呼ばれる偉い人が後席に座るクルマといえば大型セダンと決まっていました。しかし、いちどミニバンの開放感を知ってしまうと、もうセダンには戻れない。そこでショーファーニーズが強く、ミニバンへの抵抗もない中国や東南アジアで新たなプレミアムブランドとしての価値を提供していこうと狙っているのでした。

プレミアムブランドの大型ミニバンといえば「メルセデス・ベンツVクラス」がありますが、実はアジアの富裕層からは評判がよくありません。なぜなら車体設計が貨物車で、乗り心地がよくないから。

しかし、根本から乗用車として快適性を重視して設計された「レクサスLM」なら、その心配には及ばないというわけです。事実、東南アジアの大都市に行くとショーファードリブンとして使われている「アルファード」や「ヴェルファイア」の多さに驚きます。数年後は、間違いなくそれらがこの「レクサスLM」に置き換わることでしょう。

(工藤貴宏)

この記事の著者

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工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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