塚田勝弘 
●ミッドサイズSUVとして磨きをかけた新型「ハイランダー」
2019年4月17日から開催されるニューヨーク国際オートショーにおいて、トヨタはミッドサイズSUV「ハイランダー」の新型モデル（米国仕様）を世界初披露すると発表しました。まず米国に投入される新型ハイランダーは、ガソリン車は2019年12月に、ハイブリッド車は2020年2月に販売を開始する予定。その後、順次海外市場に投入されます。
ハイランダーの初代モデルは、市街地走行や多人数乗車にも適したミッドサイズSUVとして、2000年に日本でも「クルーガー」の名でリリースされ、2001年にアメリカで販売を開始しています。
以来、3代にわたって走りや、3列シート採用をはじめとする居住性などを磨き上げ、2018年には北米、中国、豪州、ロシアを中心に世界で年間約39万台を販売し、また初代からの累計販売台数は約385万台に達するなど、3列シートSUVの主力モデルとして成長しています。
新型モデルでは海外における販売国・地域も拡充していく予定だそうで、日本への再導入も期待したくなります。
4代目の新型ハイランダーは、これまで好評を得てきた取り回しの良いボディサイズを維持しながらも、居住性や荷室空間を拡大。外観デザインはよりSUVの力強さを表現し、内装はより上質感のある空間へと進化させたとしています。全長を先代から60mm伸ばすことにより荷室容量を大幅に拡大し、使い勝手を向上。また、2列目シートのスライド量を30mm拡大し、3列目の居住空間を拡げ、実用性をアップ。
今や定番となった「Toyota New Global Architecture（TNGA）」のプラットフォームやパワートレインの採用により、快適性や安全性を含めた基本性能、燃費性能を一段と高めたそう。
搭載されるエンジンは、ガソリンのV6エンジンに加えて、ハイブリッド車には「TNGA」の2.5L直列4気筒エンジンのハイブリッドシステムを新たに搭載することで、燃費を従来比で17%向上。さらに、アクセル踏み込み時のレスポンスの良さや、よりスムーズな加速も可能にしたとしています。
4WDシステムは、ガソリンモデルの上級グレードには新型RAV4と同様に、前後および後輪の左右駆動力を最適に制御する「ダイナミックトルクベクタリング機構」を新たに搭載。これによりコーナリングや悪路走行時においても優れた操縦安定性とトラクション性能を発揮するほか、2WD走行時は後輪に動力を伝達する駆動系の回転を停止させて燃費向上を図る「ディスコネクト機構」が全グレードに搭載されています。
ハイブリッドモデルに新たに搭載した4WDシステムの「E-Four」は、従来型から30%最大トルクを増加させた後輪を駆動する電気モーターを搭載し、走行状態に応じて適切に後輪にトルクを配分する新制御により、高い走破性と優れた操縦安定性を実現。
安全装備では、最新型の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を全車に標準装備し、車両や歩行者検知（昼間・夜間）、自転車検知（昼間）を行い衝突回避支援または被害軽減を図る「プリクラッシュセーフティ」をはじめ、レーダークルーズコントロール作動時に車線維持に必要な運転操作を支援する「レーントレーシングアシスト（LTA）」、カメラで認識した道路標識をマルチインフォメーションディスプレイに表示して安全運転を促す「ロードサインアシスト（RSA）」などを搭載。
また、マルチメディアでは、上級グレードへの12.3インチの大型スクリーンの新設定に加え、全グレードで「Android Auto」「Apple CarPlay」「Amazon Alexa」などが新たに利用可能になり、利便性が向上されています。
なお、ハイランダーを生産する米インディアナ工場では、需要の高まりを受け、約6億ドルを投じて、工場全体の刷新とともに新型ハイランダーの生産能力を年間4万台追加する予定としています。現状では日本への導入についてはアナウンスされていません。マツダCX-8が堅調な販売をしている中、日本での復活を求める声、一定のニーズもありそうです。
（塚田勝弘）
