アウディe-tron GTのプラットホームはポルシェ・タイカンがベースか?【Audi e-tron GT】

■「このデザインのまま量産するよ」。アウディ・デザインを率いるマルク・リヒテがそう断言した

昨秋のLAショーでデビューしたアウディのe-tron GT Concept。バッテリーEVの4ドア・スポーツカーだが、これは打ち上げ花火的なコンセプトカーではない。「このデザインのまま量産するよ」。アウディ・デザインを率いるマルク・リヒテが、そう断言したのだ。

e-tron GT Conceptが欧州初披露となった先日のジュネーブショーで、リヒテにインタビューする機会を得た。「コンセプトカーと呼んでいるけれど、ボディはシートメタル製。デザインはもう量産車とほとんど同じだ」とリヒテ。そしてこう続けた。

「このコンセプトカーにはドアハンドルがないので、そこは想像してほしい。ボディ前後の”e-tron”のバッジのイルミネーションは、量産車ではなくなる。違いはそれだけだよ!」

公式発表ではないが、e-tron GTのプラットホームはポルシェ・タイカンがベースと見られる。コンセプトカー段階ではMission-Eと呼ばれていたタイカンは、今年末に生産が始まる予定だ。

バッテリーEVのスポーツカーをデザインするとき、最大のハードルはバッテリーの積み方だろう。床下にバッテリーを敷き詰めると、その上に乗員が位置することになり、内燃機関車より背が高くなりがち。しかしe-tron GTの全高は1.38mと、アウディ比較で言えばTTとA7の中間という低さを実現している。

「バッテリーを異なる高さでレイアウトしたおかげで、全高を下げることができた。これを成し遂げてくれたエンジニアに感謝している」とリヒテ。アウディが公表した透視図の画像によると、床下のバッテリーはMission-Eと同様に、前席の足元からシート下までと後席下に並べている。

e-tron GTの前席足元のフロアを観察すると、サイドシルとの段差がほとんどない。やはり内燃機関車のクーペやセダンより少し高めのようだ。そこにスライドレールを挟んで低いシートが取り付けられており、カカトとヒップポイントの落差はかなり小さく見える。

 

まだ1台限りのコンセプトカーだから座ることは許されなかったが、リヒテによれば「ドラポジはA7よりスポーティで、R8に近い。でも、スポーティすぎないようにした」とのことだ。

一方の後席は、足元の床下にバッテリーを積まないことで乗員のカカトの高さを下げた。前後方向のスペースが限られたなかで、いわゆる”体育館座り”にならない快適性を確保するため、カカトとヒップポイントの落差を前席より大きくしているのである。

しかもカカトが低いからこそ、快適な着座姿勢を確保しながらもヒップポイントも低くできる。これはデザイン視点で言えば、スポーティなルーフラインを引くための前提条件だ。

「3年前に開発を始めたとき、4人のためのユーザビリティを持つスーパースポーツにしたいと考えた。きわめてスポーティでタイトなスポーツカーだけれど、4人が快適に乗れるクルマだ」とリヒテは胸を張る。

リヒテは「e-tron GTに競合車はいない」とも語っていた。前後2つのモーターの合計出力は590psで、ポルシェがMission-Eで公表した600psよりわずかに控えめ。0→100km/hは3.5秒で同タイムだ。性能差はほぼないから、量産タイカンとe-tron GTが出揃う暁には価格で棲み分けることになるのだろう。

タイカンは911と同じくツッフェンハウゼン工場で生産し、年間2万台を予定している。現時点ではフルチェンジしたばかりの911の生産に追われているはずの同工場だが、一方でタイカンの受注も伸びている模様で、当面は余力はなさそう。もしもe-tron GTもツッフェンハウゼンで作るとなったら、その生産能力こそ最大のハードルかもしれない。

e-tron GTの量産型は2021年3月のジュネーブショーでデビューするはず。バッテリーの積み方というEVスポーツカーのハードルをクリアしたe-tron GTについて、次なる焦点は「どこで、どれだけ作るのか?」に移りそうだ。

(千葉 匠)

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