■とにかく敵に見つからないために目立つものはすべて隠す!
●陸上自衛隊 偵察用オートバイ
大阪モーターサイクルショーで、シブ〜いバイクを発見。カワサキのKLX250ですが、全身をオリーブドラブで塗装され、メーカー名も目立たないように黒になっています。ずいぶんツウ好みなカスタムだと思ったら、なんと陸上自衛隊の偵察用オートバイでした!
塗装のほかに特徴的なのは、無線機用のラックが追加されていること。車体後部には無線機本体、ハンドル右側には操作用のモニター、ハンドル左側には送信するためのスイッチがそれぞれ搭載されるそうです。
こちらは、訓練時の仕様です。ミラーやウインカーなど、保安部品はすべて取り外されます。
フロントフェンダーには自衛隊車両の証である白い「桜」の紋章が入っているのですが、これも訓練時には目立たないようカバーをかけて隠されます。「メーターもカバーをかけるのですか?」とお聞きしたところ、メーターは状況に応じて消灯できるようになっている、と教えてくれました。
また、車体後部のゴムチューブは、草木などを刺して車体の形を分からないようにするためのものだとか。ちなみに、エンジンは無改造です。
隊員の方にお話を聞いてみましたが、偵察用オートバイに乗りたいと希望を出しても、実現するかどうかは腕次第、とのこと。訓練は、悪路での操縦練習がメインですが、装備類のせいで車重が重くなっているため、操るのは簡単ではないそうです。また、偵察任務の際には敵と遭遇する事態も想定されるため、手放しで小銃を構えながら走行したり、バイクを横に倒して盾にすることもあるのだとか。
こうした特殊なバイクを見ることができるのも、モーターサイクルショーの楽しみの一つですね。
(長野達郎)