日産・リーフe+が新型リーフの大本命といえる理由とは?【新型リーフe+試乗記】

【リーフe+はバッテリーの強化で航続距離と出力を向上した本命モデル!?】

日産・リーフに従来の40kWh仕様に加えて62kWhの「リーフe+」が追加され、ニーズに応じて選べるようになりました。62kWhのバッテリーを搭載したリーフe+の一充電走行距離はWLTCモードで458km・JC08モードで570km。従来の40kWhは、WLTCモードが322km・JC08モードが400km。

リーフe+の最大出力は40kWh仕様よりも45%アップの160kW、最大トルクは6%向上の340Nmで、中間加速は13%アップしたそうです。バッテリーサイズが大きくなったことで、「X」と「e+ X」を比較すると、車両重量は160kg増となっています。

街中で走り出すと、日産が強調するように中間加速の鋭さが増していて、モーター駆動らしく出だしからスムーズで力強い加速が味わえます。これが、現行リーフの本命モデルであり、この動力性能と航続可能距離を備えることで、「新型」を謳えるという印象。

重量増によりサスペンションの仕様変更やボディ剛性のアップが図られていて、さらに低重心化により走行安定性も引き上げられていますが、コーナーが続く首都高速でもロール感が少なく、ピタリと路面に吸い付くような走りも魅力です。

一方で、床下の重量がさらに重くなったことで、低速域で荒れた路面を走ると、電動車らしく床下の重さからくる揺れも感じさせます。しかし、乗り心地は決してハードではなく、剛性向上もあって安定感・安心感が高まったように思えます。

CEV補助金はすでに40kWhモデルで上限に達していて、どちらも補助金額は同じ。最低地上高が40kWhよりも15mm低くなり、135mmという数値なので、雪国やフラップ板を上下させるようなコインパーキングなど、駐車場によっては入庫できない場合もありそう。

この点をクリアし予算が許すのであれば、ちょっとした遠出もより気兼ねなくできますから「e+」を指名する手も十分アリといえそうです。

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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