【e-POWERは優れたパワートレインだけど高速走行が苦手】
ノートやセレナで大評判。販売台数も凄いことになっていますよね、日産の「e-POWER(イー・パワー)」。これはエンジンを積んだハイブリッドカーですが、エンジンは発電専用。駆動力はモーターで生み出す、いわゆる「シリーズハイブリッド」と呼ばれるタイプ」の仕掛けです。
電気自動車と違って充電などは必要なく、一般的なエンジン車と同じくガソリンを入れれば走行可能。それでいて燃費に優れ、電気自動車のようなモーターならではの爽快な加速を味わえるのがメリットです。
ジュネーブモーターショーで世界初公開されたのが「IMQ」という映画「007」でジェームス・ボンドが所属している組織の名前みたいな車名のコンパクトクロスオーバーSUV。「次期ジュークを示唆しているのでは?」なんて事情通はささやいていますが、果たしてどうでしょうかね?
気になるのは、パワートレインが「e-POWER」だってことですよ。だって「e-POWER」メリットが多いし一般道の速度領域(特に市街地)では効率がいいので燃費も良好ですが、高速巡行で速度を高めていくと機構上効率が落ちてしまう(モーター駆動車は高速領域が得意ではありません)。欧州といえばドイツのアウトバーンに代表されるように超高速走行可能な道路があり、流れも日本の高速道路より速い。
はたしてそんな環境に「e-POWER」がしっかり対応できるのか、気になるところです。
ちなみに日産は「今後2年のうちに『e-POWER』を欧州へ投入」と宣言。これはちょっとした事件です。果たして、ウィークポイントを解消する秘策はあるのでしょうか?
(工藤貴宏)