塚本奈々美の世界モータースポーツ紀行~欧州編~

●モータースポーツが生活に根付いた欧州で憧れのサーキットを走る

内外のレース、ドリフト、ラリーと3つのカテゴリーに「三刀流」ドライバーとして参戦中の塚本奈々美です。前回の世界モータースポーツ紀行〜中国編〜に続き、今回は〜欧州編〜をレポートします。

私の父はイタリア系なのですが、実は昨年前半まで私は欧州の地を踏むチャンスがありませんでした。ところがこの1年、レースでドイツ(ニュルブルクリンク)に3回、そしてプライべートと仕事で英国、フランス、ベルギーにスイスと、何回も欧州に行くことが出来ました。とはいえ、まだイタリアには行けていませんので、今年は何としてもイタリア、私のファミリーのルーツであるベネチアを訪れたいと思っています。

私はこれまで欧州ではサッカーとモータースポーツが生活の一部だと聞いていました。自動車レースがフランスで生まれ、F1もイギリス生まれという歴史があり、またF1では創成期から欧州のドライバーやチームが上位を占め、今でも多くのグランプリが欧州で開催されています。

特に、フランス、イタリア、ドイツでは最もメジャーなプロスポーツの一つと言ってよく、早朝のカフェでもF1やWRCなどが話題の中心になることも多いようです。

日本ではまだまだクルマが移動手段として捉えられることが多い中、スポーツカー文化も生活に根付いていて、実際ドイツの田舎町を猛スピードでかっ飛ばすおばあちゃんを目の当たりにし、すごくカッコよく、素敵だなぁ〜と思いましたね。

また、家族連れでサーキットに来て、コースの傍らでBBQしながらビール片手に一日中レース観戦する模様など、まだ日本では見慣れない光景を多く観ることが出来ました。

さて、そのドイツにはレーシングドライバーなら誰もが走りたいと憧れる「ニュルブルクリンク」があります。

全長20km超、高低差300m、コーナー数は実に100以上。危険な高速コーナーやブラインドコーナーも多く、エスケープゾーンも少ない。ひとつのミスで即クラッシュにつながる、世界で最も難しく、過酷なコースです。私がニュルに挑戦したいと言い出した時、本気で私のことを心配して「止めた方がいい」と言って下さった方も、 実はかなりいました(笑)。

それでも、憧れのニュルに挑戦したい、どんなに笑われようとそのスタートラインに立つために行動を起こそうと決心。そんななか昨年、幼稚園や病院へドライバー派遣業務を行う ジャパンリリーフさんに私の無謀な挑戦をサポートして頂けることになり、夢の実現に向けて動き始めました。

もちろん、単純にニュルのコースを走るだけなら、実は旅行者でもレンタカーを借りてス ポーツ走行枠で走れます。しかし、レースに出場するとなると、しかも、いずれは24時間に挑戦したいとなると、そのハードルはかなり高くなります。

まず、アカデミーで座学と実地走行のテストを受けて「パーミットB」ライセンスを取得。これでニュルのVLN耐久レースの出場資格が得られます。

さらに24時間レースに出るためには、このVLNでチー ムが各クラスの上位70%の成績で完走し、かつドライバー個人として累計18周を走り切ることで、初めて24 時間のライセンス「パーミットA」がもらえるのです。

これは、日本のスーパーGTチャンピオン経験者でも同じプロセスが必要です。

私のニュルデビュー戦は18年8月 18 日のVLN6時間耐久。我がREVELチ―ムはSP3クラ スで2位、そして2回目のニュルとなった9月1日の第6戦4間耐久でクラス3位。私は両レースともアンカーで無事チェッカーを受け、晴れて「パーミットA」をゲット。

そして3回目の10月6日VLN第8戦4時間耐は、さらにコースを覚えるために周回数を増やすことを念頭に走って5位で完走することが出来ました!

なんとか24時間挑戦の「パーミットA」を取得出来たのは、チームに恵まれたこと、そして国内レースで走り親しんだ86での参戦だったことも大きな要因でした。

スリックタイヤを装着し、軽量化した左ハンドルの86は初めてでしたが、運転席からの視野や車幅感覚は「このクルマなら知ってる ! 」と、すごく心強かったです。

こうして欧州のモータースポーツ文化に触れていろいろ感化を受けていますが、この春からはレース関係のお仕事で東欧にも行く機会が増えそうで、今から楽しみでなりません。

近々今季のニュルVLN耐久と24時間参戦のプランなどを皆様にお知らせ出来ればと思っています。また次回の私の世界モータースポーツ紀行は〜ブラジル編〜をレポートしたいと思っていますので、お楽しみに。

(レーシングドライバー・塚本奈々美)

【関連リンク】

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http://nana-jkb.com/

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