【BMW X3 M40d試乗】ジェントルかつパワフル。スポーティさが気持ちいいSUV

●スポーティだけじゃない、乗り心地も秀逸なBMW・X3 M40d

BMWの主力SUVとなるX3に用意されたハイパワーモデル「X3 M40d」は、3リットルのディーゼルを搭載したモデルでした。ちなみに同社では、SUVをSAV=スポーツ・アクティビティ・ビークルと呼んでいます。

かつてディーゼルエンジンは商用車やバス用のパワーユニットとして認知されていましたが、欧州では二酸化炭素排出量が少ないなどの理由でディーゼルエンジンモデルが乗用車にも大きく拡大。ル・マン24時間レースでのディーゼルエンジン車の優勝や、ツーリングカーレースへのディーゼルエンジン車の参戦と活躍などもあって、ディーゼルエンジンのスポーツ性が高まってきました。

X3 M40dに搭載されるエンジンは直列6気筒で、最高出力326馬力・最大トルク680Nmというハイスペックです。このエンジンに8速のATが組み合わされています。

ゆったり走っているとじつにジェントルなフィーリングを持っていますが、アクセルオンしたときの怒濤の加速はドライバーをビックリさせます。ゆっくり流して走っているところからアクセルをグッと踏めば、後ろから押し出されるような加速感を味わうことができます。

クーペやハッチバックのスポーツモデルは、高回転まで回ってくれるガソリンエンジンが似合いますが、SUVだと低回転からグッとトルクが盛り上がるディーゼルエンジンが似合うと私は思います。

そしてかなりいい乗り心地を持っていることにビックリしました。

BMWはMシリーズにはランフラットタイヤを使わないのが通常ですが、このX3 M40dはランフラットタイヤを採用していました。しかもサイズはフロントが245/40ZR21・リヤは275/35ZR21と、かなりエアボリュームが少ないタイプ。このタイヤを履きながら、キッチリ乗り心地を出しているところはなかなかです。

スムーズなハンドリングでコーナリングもよく、気持ちよく走ることができました。普段の走りはかなりジェントルでありながら、踏んだらグバッといくところが快感な1台です。

(文/諸星陽一・写真/宇並哲也)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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