【新型メルセデス・ベンツAクラス試乗】「走る・曲がる・止まる・話す」の「話す」の実力は?

●人間とクルマの距離を縮めてくれるデバイス。使えば使うほど精度が高まる

「走る・曲がる・止まる。そして話す」というキャッチコピーも使い、対話型インフォテイメント・システム「MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザーエクスペリエンス)」を初搭載した新型メルセデス・ベンツAクラス。

「ハイ、メルセデス」あるいは「メルセデス」と声をかけると、ボイスコントロールでナビゲーションやオーディオ、エアコン、アンビエントライトなど、安全に関わる運転操作以外の機能を代わりに行ってくれる機能です。音声認識のマイクは運転席頭上に設置されています。

どんな操作をやってくれるのか気になっていろいろ試したくなります。

試乗時は時折雨も降っていましたので、「ワイパー動かして」というと反応なし。高速道路でアダプティブクルーズコントロールを設定した後に、「速度上げて」とお願いをすると、「制限速度は●kmです」と速度制限を教えてくれました(道路の標識を読み取れた場合に反応)。ほかにも「ETC入っている?」と聞くと「ETCは挿入されています」「寒いなぁ」と声をかけると「温度設定を●度に設定しました」と、エアコンの温度設定を上げ下げしてくれます。

なお「名前は?」と聞くと「メルセデス・ベンツです」とたどたどしく答えてくれました。

意外だったのは、「おなか空いたなぁ」では反応なしで、具体的に「近くのラーメン屋は?」といわないとリストが出てきません。また、「近くのコンビニは?」と聞くと、現在地付近ではなく、出発地のコンビニが表示されることもありました。

現時点では、Appleの「siri」などのスマホの音声認識には及ばない印象ですが、多様な騒音がある車内環境という点を考えると今後の進化にもかなり期待できそう。

 

そのほか、目的地の気温や天気予報などに反応してくれるほか、「目的地はまだ?」と話しかけると残りの距離や時間などを答えてくれます。どんどん話しかけると、学習機能により賢くなるはずなので、人間も慣れるとまさに相棒になってくれそうです。

(文/写真 塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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