【デトロイトモーターショー2019】新型レクサス・RC F登場。“Performance package”はマフラーを見ると「オーナーの本気度」がわかる?

●新型RC Fの「Performance package」は走りのモデル。走り込まないと…バレちゃう?

あれれ、けっこう違うのね。デトロイトモーターショーで公開された新型「RC F」を見て、まずそんな印象を持ちました。

今回の新型RC Fは、マイナーチェンジモデル。472psの5.0L V8エンジンを積むRC Fは、現時点でレクサスのスポーツ系のトップに立つモデルです。

昨今は燃費規制という大人の事情もあって、世の中的にスポーツカーも排気量を落としたターボエンジンの搭載が増加中。でも、大排気量NAならではのフィーリングや音も魅力的で、排気量を落としたターボなんか好きじゃないという人だって少なくない。

そういう意味でも、5.0Lという大きな排気量のV8エンジンを積むRC Fはけっこう貴重な存在だったりしますよね。速さも、0-60マイル(100km/弱)の加速は4.0秒とかなりの俊足です。まあこれだけ高出力のエンジンなのだから遅いわけがないのですが。

そんなRC F、今回のマイナーチェンジの大きな目的は「サーキットでのポテンシャルをさらにアップ」なのだとか。レクサスの走りのイメージのけん引役として、もっともっとハイレベルな走りが要求されたというわけです。

そこで用意されたのが、限界域の走りを極めた高性能バージョンの“Performance package”。ポイントは空力の向上と軽量化で、前者は固定式のカーボンリヤウイングの採用が象徴です。後者はエンジンフード、ルーフなどにカーボンパーツを採用。カーボンセラミックブレーキや軽量アルミホイールなどもあわせ、約70kgのダイエットを施している本格派ですね。

値段は……まだ未公表ですが、パッケージ代として高級ミニバンが買えるくらいの金額になりそうですね。

ところで、この“Performance package”はマフラー(いわゆる「タイコ」部分)もチタン製。軽量化のためです。開発者によると「マフラーを見れば、オーナーが本気でサーキットを走っているかがわかる」とのこと。その理由は「サーキットを走れば温度が上がってチタンが焼けて色が変わってくる。公道走行ではそこまで温度が上がらないので、色は変わらない」から。

RC-F“Performance package”を買ったら慣らしが終わり次第、サーキットへ行くのが正しい使い方といえなくもないかもしれません。

ちなみに、マフラーのテールパイプはチタンではありませんが、青み掛かったかなりいい色です。この色は、開発責任者のこだわりなのだとか。

(工藤貴宏)

この記事の著者

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工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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