【デトロイトモーターショー2019】EVのコンセプトカー「Nissan IMs」が世界初公開。航続可能距離は600km超

●将来の「ニッサン インテリジェント モビリティ」を体現したNissan IMs

日産自動車は、デトロイトモーターショーにおいて電気自動車(EV)のコンセプトカー「Nissan IMs」を世界初公開しました。革新的なパッケージやパワートレイン技術を採用し、将来の「ニッサン インテリジェント モビリティ」を体現したコンセプトカーとしています。

まず注目したいのはフォルム。セダンともクロスオーバーとも異なるエクステリアをまとった「Nissan IMs」は、驚くほど広いというキャビンに「2+1+2」の独自のシートレイアウトを採用。回転式のフロントシートと小型アウトボードシートを両サイドに備えた高級感あふれる「プレミア」リヤセンターシートが備えられています。

フロントとリヤに高性能モーターが配され、115kWhの大容量バッテリーを搭載したパワートレインは、360kWの出力と800Nmのトルクを発生。一充電あたりの走行距離380マイル(約611km)を実現するそう。

前後の高性能モーターによる4輪駆動システムは、高いコーナリング性能を発揮し、路面の状況と運転モードに合わせて、乗り心地とハンドリングを調整できるという最新式エアサスペンションも搭載されています。

個性的で先進的なエクステリアは、未来志向のハイテクタッチと、日本のDNAの一つである伝統の職人技が融合したもの。滑らかでセクシーなエクステリアは、シンプルな縦横のラインで構成され、長いホイールベースとウエストライン、特徴的なAピラーやリアウィンドウなど、個性的なスタイルでありながらすっきりしたシンプルなシルエットに仕上げられています。

フロントには、日産のデザインランゲージである「Vモーション」を採用。グリルレスの大胆でスリムなV字型デザインは、目をひくと同時に実用的で未来的な印象を付加しているほか、日本伝統の「麻の葉」柄からインスピレーションを得たという幾何学模様がルーフのスモークガラス表面、ホイールや内装など、デザイン全体に採用されています。

ほかにも多くの特徴があり、自動運転モードでの走行中は、ヘッドライトとリヤのイルミネーションライトがブルーに変わり、前後それぞれのイルミネーションの中央が点滅することで歩行者や周囲のドライバーに自動運転で走行していることを知らせます。

内装は「2+1+2」の独自のシートレイアウトが特徴。リヤコンパートメントの中心を占めるのは、両側に小型アウトボードシートを備えた「プレミア」シートです。アウトボードシートの背もたれを倒すとアームレストになり、座席中央の背もたれをリクライニングしたり、オットマンを使用したりすることができます。

さらに、自動運転時は、フロントシートを内側におよそ15度回転させて、後部座席と会話のしやすい配置にすることが可能で、ステアリングは格納され、快適にくつろぐことができる広々とした空間が生まれます。内装は、4枚の小型スクリーンを配した横長の薄型パネルはすっきりした配置が見どころ。車内を広々と感じさせ、情報を水平方向に配置することで目の動きを最小限に抑え、ドライバーの負担を軽減させます。

車内に設置されたセンシングプラットフォームは、センサーとカメラの情報を使ってドライバーの状態をモニターしています。例えば、何らかの理由でドライバーが車を制御できなくなった場合には、センシングプラットフォームがその状態を感知して、クルマを安全な場所に停止させることができます。「Nissan IMs」のボディサイズは、全長4845×全幅1900×全高1500mm、ホイールベースは2900mmです。

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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