マツダがPHVの発電用途で「ロータリーエンジン」を復活させる訳は?

昨年10月、発電専用のロータリーエンジンを搭載したレンジエクステンダー車を投入すると発表したマツダ。同社が得意とするロータリーエンジン関連技術を今後の電動化に利用するもので、ロータリーエンジンのウリである「静粛性」を活かす考えのようです。

日経新聞によると、欧州や中国、米国等の環境規制への対応を見据え、2020年の発売を目標に、発電用小型ロータリーエンジンを搭載したPHVの開発を進めている模様。ドイツ車では2輪車用の2気筒エンジンをPHV向けの発電器として使用しているケースが存在するようですが、静粛性の面では「ロータリーエンジン」に分が有りそうです。

ロータリーエンジンは小型で高出力な反面、熱効率が低いという弱点があるものの、同社によれば、利用する回転数を高めて発生トルクを大きくすれば問題無いと言います。

同社では排ガス規制への対応や低回転域でのトルクの細さ等から、近年は搭載していませんが、発電専用であればロータリーエンジンの効率の良い回転域に絞れ、長所である「静かさ」が活かせるという訳です。

マツダは、2030年時点で生産する全ての車両に電動化技術を搭載する方針を表明しており、 PHVに加え、HVやEVでも発電用小型ロータリーエンジンを採用する考えのよう。

「RX-7」や「RX-8」等で多くのロータリーエンジン搭載実績を持つ同社だけに、電動化への応用についても大いに注目されます。

Avanti Yasunori・画像:MAZDA)

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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