【新型BMW・3シリーズ プロトタイプ】「日本仕様」として投入される320iは、本国の330iのディチューン版!?

BMWのベーシックセダンであり、最量販モデルである3シリーズが2018年のパリモーターショーで発表されました。日本での正式な発表はまだですが2019年には投入予定となっています。そのプロトタイプがメディアに公開されました。

現行にあたるF30系は全幅を1800mmに抑えるために、ドアハンドルを専用品としていましたが、新型はドアハンドルよりもパネルのほうが張り出しているため、専用品が用意されるようなことはありませんでした。今回ボディ全幅は1800mmを超えました。日本仕様の正確な数値は発表されていませんが、ドイツ仕様が1827mmなので、日本仕様は1830mmということになるでしょう。

 

新しいBMW3シリーズはまず320iが輸入販売される予定です。この320iは欧州で販売される320iとは内容が異なるとのことです。欧州ではまず330iが発売され、その後遅れて320iが登場するというスケジュールが組まれていますが、遅れて登場する320iと日本で最初に発売される320iは内容が異なるとのこと。

日本で最初に発売される320iは330iのデチューン版になるというのです。これは予想ですが、日本で最初に出る320iと本国版320iは排気量が異なる可能性が考えられます。

新しい3シリーズではボディも刷新されました。新しいボディは高張力鋼板の採用部位が増えたほか、ボンネットやフロントフェンダーへのアルミ材の拡大採用が行われています。アルミ材とスチール材の結合にはフロードリングスクリューと呼ばれる下穴が不要のビスが使われます。製造時にこのビスを使うことでコストを抑えます。事故などの際の修復ではリベットを用います。徹底した軽量化により55kgの軽量化を果たしています。

サスペンションはハイドロリック・リバウンド・ストップ・ダンパーが採用されました。これはリバウンド側(伸び側)のストロークが17mmを超えると減衰力が高まり、徐々にピークに達するようにしたもので、3シリーズから順次採用されていくとのことでした。テスト車にはハンコック社製のタイヤが装着されていましたが、日本仕様では今まで採用されたことはなく、新型でも別のタイヤがチョイスされることになりそうだということです。

また、撮影が許可された車両は1眼カメラによるADAS(ACCやレーンキープシステムなどの総称)を採用していましたが、発売される実車には3眼方式のADASが採用される予定です。それぞれのカメラが20m−150度、120m−52度、28度−300mの範囲を担当することで、より正確なレーンキープと危険予測を行います。

(文・写真/諸星陽一)

この記事の著者

諸星陽一 近影

諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
続きを見る
閉じる