トヨタ自動車からトヨタ車体にバン事業を移管。その狙いは?

2016年4月に製品軸で7つのカンパニー制を設立したトヨタ。バンやワゴン、SUVなどを担当する「CV Company」は、ランドクルーザー、ヴォクシー/ノア/エスクァイア、ハイエース、コースター、ウェルキャブ、新興国向けのIMVシリーズなど多岐にわたっています。

2018年11月28日、トヨタ自動車とトヨタ車体は、トヨタからトヨタ車体へ「委託」されていたバン事業(バン、ミニバン、小型バス)における企画や開発、生産業務を今年11月より移管し、トヨタ車体が主体となって同業務を進めていくことに合意したと発表しました。

今後両社は、意思決定の迅速化と開発工数、費用の低減を加速し、バン事業の競争力をさらに強化するとしています。トヨタ車体は、1945年にトヨタ自動車工業(現:トヨタ自動車)の刈谷工場が独立し、トラックボデー専門メーカーとして発足。以降、ハイエースやランドクルーザー、コースターなどの開発、生産を手掛け、完成車両メーカーとして活動領域を広げるとともに、トヨタのバン・SUV・商用車事業の中核を担ってきました。

2000年代以降は、日本市場のけん引役として急成長してきたミニバンの開発、生産を担い、2017年には年間約70万台を生産するまでに拡大し、着実に成長。

先述したとおり、2016年4月には、トヨタ自動車において、組織を製品群ごとに小括り化し、企画・開発・生産を一気通貫で担当する「カンパニー制」が施行され、その内の1つとして、バンやラダーフレーム系SUVを担当するCV Companyが発足しています。

トヨタ車体は、CV Companyの一員として、開発・生産業務を引き続き担っていくとしていて、2018年1月には、バン事業において、新たに企画業務もトヨタ車体で行うこととし、バン系車種の企画・開発・生産を一気通貫で行う枠組みになっています。

今後もトヨタ車体は、CV Companyの一員として同じ目標を共有し、この度移管されたバン事業において、これまで蓄積してきたノウハウを活かしたさらなる原価低減を推進。

加えて、ニーズをきめ細かく反映したクルマを一台でも多く、スピード感を持って送り出せるように、専門組織として主体的にクルマづくりに取り組むとしています。コスト低減をさらに図るとともに、仕向地を含めた細かなユーザーニーズを取り組むことで、世界中でまだまだ成長が見込めるバン事業の強化といえるのでしょうか。

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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