【新型マツダ・CX-5】6MTディーゼル仕様は「サムライ」の方におすすめ!? 2.5Lガソリンターボは速さが圧倒的

マツダ・CX-5は世界約120カ国で販売され、今や世界販売台数の約1/4を占める最重要車種の一つです。そのCX-5がこのたび改良されて新モデルになり、11月22日から発売されることになりました。

Apple CarPlayやAndroid Autoに対応したり、エアコン操作パネル形状が変わったりなどの変更もありましたが、何よりも大きなニュースはパワートレインに関するものでした。

ひとつが従来から設定されているスカイアクティブ-D 2.2へ新たに6速マニュアルトランスミッションを追加したこと。

今回、テストコースで試乗することができました。アクセルに対して低い回転域でも敏感に反応してくれるエンジンを、自分でギヤを切り替えながら走らせると変速のたびにトルクの上下動が確認できます。これ、当然といえば当然ですが、走りにリズムが生まれて気持ち良かったです。

絶対的な加速性能について、従来からあるトルコン6ATが劣っているということは(少なくとも一般的走行では)ありませんでしたからつまり、6MTは走ることを楽しみたい人が選ぶべきなんだと思います。結果より過程を重んじる武士道ですね。サムライの方におすすめです。

そしてもう一つの大きな変更点が従来はNAのみの設定だったガソリン車に2.5L直噴4気筒ターボエンジンが加わったことです。

これはボアストロークが89×100mm、圧縮比10.5というユニットから230ps/4250rpmの最高出力と420Nm/2000rpmの最大トルクを発生させるものです。こちらにはマニュアルの設定はなく6速ATのみがセットされます。

こちらもテストコースで試乗してみましたが、結論から先に申し上げますとこれ、笑っちゃうぐらい速いです。全体的なパワーの出方がそう思わせるのですが、何より魅力的なのは低速から盛り上がるトルクでした。

実は記者は大変恥ずかしながら最初、スカイアクティブ-D2.2に乗っているのだと思っていたくらいです。

撮影のために少々移動したところでマツダ広報部の方に「いいでしょこれ?」と声をかけられ、内心「(え、このディーゼルの良さは知ってますが今さら何か?)」と思いつつも「そうっすね!」と元気よく答えた直後に過ちに気づき「(あぶねー、『え、スカイアクティブ-Dにも変更ってありましたっけ?』とか聞かなくてよかった~)」と心底ほっとしたのでした。

ちなみにスカイアクティブ-D 2.2の最大トルクは450Nm/2000rpm(最高出力は190ps/4500rpm)。さすがに2.5Lガソリンターボ(420Nm/2000rpm)には勝ってはいるのですが意外なほど僅差! というかガソリンターボ、トルクすげえな。

ディーゼルとガソリンターボの違いは中高速で顕著です。踏めば踏むほどパワーが出てくる感覚は最近のダウンサイジングターボとはキャラが違うもので「そうそう、スポーツモデルとしてのターボって、こういう『いかにも』な強い過給を感じさせるものだったよな」と思い出させてくれるものでした。

というわけで新型CX-5では、従来モデルに対し圧倒的な出力を持つガソリンターボモデルのキャラクターが際立った印象です。

が、それは前述のようにディーゼルの存在とも一部キャラ被りしてしまうような、モヤモヤっとした部分を持つものでもありました……はっ! それはメーカー側でも織り込み済み!? そのための”キャラ分け”としてディーゼルには6MTを追加したということでしょうか。

ちなみに価格は2.5Lガソリン直噴ターボモデルが(上級グレード・Lパッケージ以上からのラインナップで)332万6400円から、2.2Lディーゼルターボの6MTモデルが(素のXDで)288万3600円から。

この数値を見るといかにスカイアクティブ-D 6MT仕様がお買い得かが際立ってきたりして、悩ましいすね。

(写真・動画・文/ウナ丼)

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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