「CEATEC JAPAN」のトヨタブースでは、「SDL(sdl)」を紹介する展示内容になっていました。「SDL」とは、スマホと車載ディスプレイをリンクさせる「Smart Device Link(SDL)」から命名されたサービス。
スマホを直接操作するのは当然御法度で、運転中にスマホ・ゲームをしていて重大事故が起きた例もあります。一方で、車内でのスマホ操作は欠かせなくなっており、これを解決するのが、スマホと車載システムの連携。
「SDL」メンバーとして、トヨタ、LINEのほか、フォード、スズキ、マツダ、SUBARU、ダイハツ、日産、三菱自動車、いすゞなどのほか、Amazon、JVCケンウッド、パイオニア、Panasonic、クラリオンなどの多くの企業が名を連ねています。つまり、「SDL」はオープンソースプラットフォームであり、スマホ用アプリのように多様なサードパーティ製アプリが登場することになるのでしょう。
注目はLINEの「Clova Auto(クローバ オート)」。「CEATEC JAPAN 2018」の開催と同時に、LINEは、車載器とAIアシスタント「Clova(クローバ)」を連携させ、「Clova」を車内空間で利用できるサービス「Clova Auto」を発表しています。
同ブースでの目玉もLINEによる「Clova Auto」。LINEは、トヨタが2017年から導入しているクラウドでの高鮮度なビックデータを活用したナビゲーション基盤をこの「Clova Auto」と統合。LINEでは、ナビ機能までを統合したスマートフォンアプリケーションを2019年夏から提供すると発表しています。
今回発表された連携により、「Clova Auto」は、ドライブをしながら家の電気を消す、目的地の天気を調べる、LINEメッセージの送受信といったことが音声によって実現できるだけでなく、目的地検索、カーナビを提供し、クルマに関するドライバーのニーズをワンストップで実現するサービスになるそう。
たとえば、「ねぇClova(クローバ)、東京タワーまでの行き方を教えて」、「東名高速道路の渋滞情報を教えて」など、音声によるナビ操作が可能に。また、「Clova Auto」は、車載器とスマホが連携する、先述の「Smart Device Link」(SDL)に対応し、ハンドルの音声コントロールボタン、ディスプレイへの地図などの情報表示にも対応。
「Clova Auto」に統合させるトヨタのナビゲーション基盤は、膨大な交通情報をもとに、短時間で到着する最適なルートを探索。通信圏外や案内されているルートから逸脱した際のリルートなど、速い応答性が要求される際は、ローカルのルート探索処理に切り替えるハイブリッドナビでもあります。ユーザーの走行情報から生成した独自のプローブ交通情報を基に、道路状況を予測し、より短時間で到着する最適なルート提供が可能になります。
さらに、2018年12月発売予定のSDL対応車載器から「LINE MUSIC」アプリの連携からスタートし、「Clova Auto」アプリは2019年春から開始。ナビ機能は2019年夏の予定とされています。
(文/塚田勝弘 写真/塚田勝弘、LINE)