トヨタとソフトバンクが新会社を設立。2020年代半ばをめどにEVの自動運転車を使った移動モビリティサービスを開始

孫社長は今回の提携を若手ワーキングチームから聞いたときに、相手が「世界一のトヨタ」だけに本当に驚いたとのこと。20年前に豊田章男社長が「GAZOO.COM」を立ち上げるタイミングで、孫社長から「米国のネットディーラを国内に展開しないか」という話があったそうですが、友山茂樹副社長ともに断ったのは若気の至りと振り返っています。

現在は、トヨタとソフトバンクの2社からのスタートですが、いずれは「オールジャパン」として他社、さらにはグローバルに展開していくとしています。

具体的には何を目指すのでしょうか。ソフトバンクがトヨタのEVであり自動運転車でもある「e-Palette(イーパレット)」による「Autono-MaaS」を使いながら、2020年代半ばまでには、移動中に料理を作って宅配するサービスや、移動中に診察を行う病院送迎サービス、移動型オフィスなどのモビリティサービスを提供。また、将来はグローバル市場への提供も視野に入れて事業を展開するとしています。

将来、バスなどの公共手段の存続がますます厳しくなる状況(現在でも8割以上のバス会社が赤字)を見据えて、自動運転車「e-Palette」の実用化を図り、通勤ルートを走らせるなどの構想ももっているそうです。

なお、ソフトバンクやトヨタが交通事業体になるわけではなく、自治体や企業などに自動運転車「e-Palette」のシャトルバス(過疎地域や通勤ルート)といった車両やシステムを提供。「地域連携型オンデマンド交通」「企業向けシャトルサービス」といった構想が掲げられています。

(文/写真 塚田勝弘)

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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