マイナーチェンジされたベンツCクラスのなかで、もっとも注目を浴びたモデルが「C200」です。現行モデルであるW205シリーズのC200はデビュー時には2リットルターボエンジンを搭載していましたが、新型は1.5リットルエンジンに48Vで駆動するモーターを組み合わせたマイルドハイブリッド仕様となりました。
メルセデスはすでにSクラスでマイルドハイブリッドを採用していますが、今回のCクラスに採用されるマイルドハイブリッドとSクラスのそれでは方式が少し異なります。
Sクラスの場合はエンジンとミッションの中間にクラッチを介してモータージェネレーターを配置していましたが、CクラスではBSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)と呼ばれる装置が、アシスト、回生、エンジンの再始動を担当します。BSGはオルタネーターを大型化したようなものと思ってもらえばわかりやすいでしょう。
メルセデスでは電動化について「EQ」というキーワードを使っていますが、このBSGによるマイルドハイブリッドはEQブーストと呼ばれます。
1.5リットルエンジンは184馬力/280Nmのスペックで、これを14馬力/160NmのBSGがアシストします。最初の始動はセルモーターで行いますが、再始動はBSGの担当です。走り始めて信号などで停車するとアイドリングがストップします(もちろん条件が揃わないと停止はしません)。そこからアクセルを踏み込むとエンジンが再始動、BSGのアシストを受けながら加速を行います。
再始動はセルモーターによるものと異なり、静かでスムーズなものとなります。そして、アシストを受けながらの加速になります。スズキでも同様のシステムを採用していますが、電源が12Vなのでその力も弱くアシストをあまり体感することはできません。
48V方式になるとさすがにそのアシストを感じることができますが、発進時の加速にはちょっと物足りなさが感じられ、C200というグレード名からするとちょっと物足りない、C180のほうがいいフィーリングとなります。
走行時にエンジンが停止するコースティングからの再始動や、シフトチェンジをした際のトルク不足のアシストなどではいい仕事をするBSGなので、発進加速のときのフィーリングが向上すればさらにいいものとなるでしょう。
「あとちょっと」という印象ですが、日本のユーザーは552万円という車両本体価格を払って購入するわけですから、この部分の改善はぜひ望みたい部分です。
(文・写真/諸星陽一)