【メルセデス・ベンツ CLSクーペ試乗】ゆっくりとしたロングドライブを楽しみたい「220 d クーペ スポーツ」

CLSはEクラスセダンをベースとしたスタイリッシュな4ドアハードトップです。メルセデスでは4ドアクーペという表現を用いています。初代モデルは2004年のデビューし、試乗した新型は2018年6月から日本に導入されています。

Eクラスベースといいながらも、ボディサイズは全長が5000mm、全幅が1895mm、全高が1430mmとかなりタップリとしたサイズとなっています。ホイールベースも2940mmと長く、Eセグメントのなかではかなり大きいモデルと言っていいでしょう。

2代目まではリヤシートが2名分の4名定員でしたが、新型は3名分に増やされ5名定員となっています。

試乗車は2リットルディーゼルターボエンジンを搭載する220dスポーツ。ハンドル位置は右のみが用意されます。エンジンの最高出力は193馬力、最大トルクは400Nmでボディサイズからみると大パワー、大トルクという印象はなく、比較的おとなしく、ベーシックな組み合わせと言っていいでしょう。

このエンジンはディーゼルらしい低速からしっかりと加速するタイプのエンジン特性で、クルマにゆったりとした余裕のある走りを与えてくれます。

サスペンションはアジリティコントロールと言われる可変ダンパーと金属スプリングが組み合わされたものが標準ですが、試乗車は4段階の可変が可能なエアサスのエアボディコントロールが装備されていました。

サスペンションのポジションをもっともスポーティなスポーツプラスにすれば、しなやかなエアサスのイメージは影を潜め、金属スプリングのようなしっかりとした硬めの足まわりとなります。

このポジションで箱根のワインディングを走りましたが、絶妙なコントロールを楽しめるフィーリングを披露してくれました。

高速道路ではコンフォートポジションを選びましたがこれもなかなかいいフィーリングです。足まわりがゆったりとするだけなく、エンジンの出力特性カーブもゆるく、ステアリングの操舵力も軽くなります。この状態だとレーンキープの際の自動操舵のボディの動きにもカドがなくなり、コンフォート感が増します。

ディーゼルエンジンのタップリとしたトルクで高速道路をゆったりと走り、一気にロングドライブを楽しむにはピッタリなフィーリングを持ったモデルがCLS220dと言えます。

(文・諸星陽一/写真・小林和久)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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