【スズキ・クロスビー試乗】独特ボディサイズ、広大な車内、小気味いい加速。ヒットする素養が揃った一台

ふたつ目の特徴は想定外に広い室内です。クロスビーでのAピラーからCピラーまで全ての柱は、垂直に近い角度で立っています。

このため室内に乗り込むとスクエアな空間が前後左右に広がっており、広々とした印象を受けます。

ただしクロスビーは広く感じるだけではなく、実際に室内が広いのです。

その理由はベースとなっているシャシーがソリオだからです。

ソリオは、スペーシアやN-BOXなどに代表されるスーパーハイト軽のパッケージングを小型車枠で展開した、超ビッグ容積型のハイトワゴンです。このソリオがベースになっているため、クロスビーの室内は数値的にもしっかりと広いというわけです。

3つ目の特徴は1L直噴ターボエンジンによるトルク感あふれるグッドな走りです。

3気筒ターボ・マイルドハイブリッドの最高出力は99ps、最大トルクは15.3kg・mです。注目はこの最大トルクを1700rpmから4000rpmの間まで幅広く供給してくれることで、どんな速度域でも加速力が強くドライバーにストレスを与えません。

また適切な回転数で小気味よくシフトアップしてくれる6ATもドライブフィールの良さに貢献してくれています。

独特な寸法を持つボディ、そして想定外に広いインテリア。さらには走りがいいとくれば、ヒットする素養はほぼ揃っています。さらにアクティブで快活なイメージを持つデザインを持っているクロスビーですから高人気なのにもうなずけます。

2018年上半期のスズキ登録車販売台数は6万8306台と過去最高となっていますが、この記録にクロスビーが大きな貢献をしていることは間違いないところです。

(写真・動画・文/ウナ丼)

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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