米ライト兄弟が初の有人動力飛行に成功した1903年から115年が経過し、空の移動が「大衆化」を迎えようとしている折、米・配車大手のウーバーテクノロジーズや、仏エアバス、独アウディなど、世界の企業が業種や規模を超えて、次世代輸送サービス「空飛ぶタクシー」の開発を競い始めています。
ウーバー社のバーニー・ハーフォードCOOが8月30日、東京都内で開催された「都市内航空輸送サービス」開発者会議で「新宿から横浜まで車なら1時間かかるが、飛行すれば僅か10分で行ける」と強調したそうです。
この会議には小池百合子東京都知事をはじめ、政府関係者や航空機メーカーなど国内外から100人以上が参加。
同COOがこの場で紹介したのが、2023年にも「空飛ぶタクシー」のサービス開始を見込む「ウーバーエア」。ドローンと旅客機の中間のような位置付けで、電動の垂直離着陸機にパイロットのほか4名が搭乗可能で、ビル屋上などの発着場を拠点とする計画。
ヘリコプターや航空機より低コストで、タクシーに乗るような感覚で利用できることから、渋滞解消や災害時の救急搬送に期待が掛かっているそうで、日経新聞によると、こうした動きは同社のみならず世界で約40件にも上るそうです。
年内にはエアバスが米国で4人乗りの「シティエアバス」の試験飛行をスタートさせるほか、来年にはボルボやロータスを傘下に持つ中国の浙江吉利控股集団が空陸両用の車両を発売する計画になっている模様。
また、トヨタ自動車等が支援する「カーティベーター」は2020年に東京五輪の開会式で空陸両用車「スカイドライブ」の飛行を目指しているそうです。
一方、「空飛ぶタクシー」サービスの実現に際しては安全性や騒音対策などの技術的課題のクリアに加え、法整備、整備基準、管制システム、飛行可能区域などを規定するルール作りが重要。
また、プロジェクトの多くが開発や飛行の目標を2020年代前半に据えているため、協議会では開発費用(100〜300億円/機)などを基にした事業性の検証についても急ぐ考えのようです。
(Avanti Yasunori・画像:UBER)
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