2018年8月29日(水)、トヨタ自動車はメガウエブ(台場・東京)で、「第12回 トヨタ夢のクルマアートコンテスト」の表彰式を開催しました。
今回も、とにかく世界の子どもたちが考える夢のクルマのアイデアにはびっくりさせられました。
このイベントは2004年から実施されている世界的イベントで、今年で12回目となります。現在では76の国と地域から65万点の応募があったという、一大イベントになっています。
参加対象となるのは15歳までの子供で、7歳以下の部、8歳〜11歳の部、12歳〜15歳の部の年代別3部門に別れていて、それぞれ「金賞」(1作品)、「銀賞」(2作品)、「銅賞」(3作品)、「審査員奨励賞」(4作品)というように全30作品が選定されました。
さらに特別に「豊田社長賞」、トヨタ自動車のディディエ・ルロワ副社長の選出する「夢のクルマ技術賞」、そしてオンラインでの投票による「Make Me Smile!〜オンライン投票賞」が決定されました。
「7歳以下の部」で金賞を受賞したのは、シロン・マルガレット・アングリスカさん(インドネシア、7歳)の「アルファベット・カー」で、実はこの作品は夢のクルマ技術賞も受賞しました。
「インドネシアのみんなが字を読めるようになることを願って『アルファベット・カー』を作りました。このクルマが暮らしの一部となることで簡単にアルファベットが学べるようになり、いろいろなことに挑戦していくことでみんなの生活がよくなることを願います」との思いからの作品です。
a=Ambulance Car(救急車)、P=Police Car(パトカー)、B=Bus(バス)といったように、文字の形をしたクルマが描かれていますので、何をするクルマなのかがわかるのが面白いところ。
ルロワ副社長によれば、トヨタの提案したコンセプトカー「eパレット」ともあい通ずる考え方を持ったところがあり、トヨタのクルマづくりにインスピレーションを与えてくれたとのこと。
「8歳〜11歳の部」で金賞を受賞したのは、ガイエフスカ・ズザンナ・リラさん(ポーランド、11歳)の「クジャクのガーデン」でした。ワルシャワの公園で見たクジャクから発想した作品で、大きなクジャク型のクルマの上に池のある緑の丘や、ピクニックエリア、みんなが花を植えられる庭園などを持った移動式の公園をイメージしたとのことです。どこにでも移動できることや、その華やかさが灰色で退屈な場所を明るくしてくれることにも期待。クジャクを見て感じた感動が、キーポイントとなっています。
そして「12歳〜15歳の部」の金賞となったのは、マニーウォンカイ・スクサワンさん(ラオス、14歳)の「建築と歴史のクルマ」です。非常に面白いのは、昔の建築物や寺院の壁に描かれた絵を修復できるクルマとのこと。そればかりでなく、世界の偉人など過去の重要な歴史を学ばせてくれるというものです。
「豊田社長賞」を受賞したのは、メイアール・ラビ・ファイス・エル・アジさん(イラク、7歳)の「障がいを持った農家の人のためのクルマ」。農場で働く障がいを持ったお父さんたちのためのクルマとのこと。
豊田社長は「大切な家族、お父さんの生活をもっと良くしたいという想いがこもった作品です。わたしたちトヨタの“モビリティ”を通じて世界中のすべての人がもっと自由に動ける世の中にしたい、という想いがこの絵から伝わってきた為、社長賞として選ばせていただいました」と語っています。
「Make Me Smile! 〜オンライン投票賞」はヤタガマ・ロクゲ・マリンドゥ・ミヒサレさん(スリランカ、14歳)の「トヨタ・時空旅行カー」が受賞。こちらは2016年から設けられた特別賞で、公式サイトからの投票で決定されました。世界の122の国と地域からの投票があったそうです。
このように作品を見ていただいてわかるように、非常に色彩豊かな作品が並び、そのレベルの高さは驚くほどです。豊かな色彩は明るい未来を期待する気持の表れで、彼らに不幸が訪れないことは大人の大きな責任となるでしょう。
また、必ず未来は彼らに託されます。子供達が描く夢が実現される未来は必ず訪れるものですので、もっともっとたくさんの夢をもっと多くの子どもたちに描いて欲しいものですね。
またもじっくりと見て、いろいろ考えさせられる作品ばかりでした。
(MATSUNAGA, Hironobu)