芸能人「哀川翔」選手、ラリーではどんなドライバー?

『第23回サン・クロレラ アジアクロスカントリーラリー2018』には多くの日本人ドライバー、ライダーが参加しています。ルールありき、ちょっとでもマナーに背くのでは?と思われる行動に、匿名の避難がSNSを通じてガシガシ飛んでくる日本ではちょっと考えられないおおらかな東南アジアの地(いや、日本も数十年前はこうでしたよ)で繰り広げられる戦いは、ある意味無法地帯といったら大げさですが、道路なんだか私有地なんだかわからないところも、許可を取ってガンガンアクセルを踏んで走ることができるわけですから、日本人や日本企業からの参戦が多いのも、ラリーをこの目で確かめてわかる気がしてきました。

そんな日本人ドライバーの中でも、いやがおうにも目立っているのが哀川翔選手。言わずと知れた芸能人のあのかたです。

参加者である以上、ドライバーズミーティングなどにも普通に顔を出していらっしゃいます。オーラが出てるものの、同時にとても気さくな感じも漂ってきます。

実際、同席させていただいた居酒屋では、乾杯の際には私なんかも含む全員と自前のコーヒー焼酎でグラスを合わせに来てくれるほどでした。

そんな哀川翔選手、いったいどんなドライバーなのか興味がわいたので、ラリーならでは、それをよく知るはずのコ・ドライバー(ラリーで助手席に乗ってドライバーに道順などを教える役目)を務める保井隆宏さんに素の翔さんはどんな人かを中心に聞いてみました。

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── 保井さんと翔さんはかつてタッグを組んで走ったことがあったんですよね。

保井「そうです。昨年の8月に群馬のTGRラリーのときに組んで走っています」

── その時の印象は?

保井「とてもステディに走って無謀なことをしないドライバーだと思いました。堅実な走りをするむやみにクルマを動かそうとするドライバーではないですね」

── 改めて、このアジアクロスカントリーラリー2018で走ってみて、いかがでしたか?

保井「前回と同じで、『抑えて』と言えば抑えるし、危ないって言えばスピードも抑えますし、穴の避け方も上手いんです。何回かこのラリーに出てるんで基本的なここでの道の走らせ方はわかってますね」

── ラリーは、タイ王国〜カンボジア国境を越え、だんだんハードになった印象でしたが、車両の調子などはいかがですか?

保井「いまのところ問題はないですね。途中で必要があってタイヤ&ホイールを交換したのは一度だけでした。それは泥がホイール内に詰まってしまったからです。」

── 今回履いているタイヤは、TOYO OPEN COUNTRY M/Tが装着されていますが、保井さんから見て、トーヨータイヤのイメージはありますか?

保井「無料動画サイトなどで迫力ある映像を作ったり、D1GPのイメージも強いですね。北米など海外での知名度も強いようですね。アジアに向けて強くアピールしていこうという姿勢でしょうか」

── OPEN COUNTRY M/Tの走りなどいかがでしょう。

保井「まったく不安も不満もはなかったですね。どんなシーンでもうまくこなしてくれたと思います。第1レグで深めの泥の水たまりを越えましたが、きちんと泥を掻いてくれて前に進んでなんなくクリアできています。マディなところでも乾いたところでもまったく問題なく、もちろん、パンクもしていませんし、安心して踏んでいけるタイヤです」

── 耐久面などはどうでしょう?

保井「ライフに関しても問題ないですね。減りに関してもそうですし、ロングで走っていてもケース剛性、特にサイドウォール剛性が高いため内圧が上がってパンパンになるようなことがないので、フィールの変化なく走れます。スコールでも、普通のアスファルトでも不満も不安も感じることはなかったです。こういう地域では特にライフ、マッディ、舗装路面などのバランスがよくないと売れないと思いますけど、このタイヤはそういう面でも優れているんじゃないでしょか?どこでも走れるオールラウンダーなところがいいです。」

── 翔さんの様子はいかがでしたか?

保井「ドライバーとしても、特にタイヤに気を遣うこともなく、安心して安全に走っている様子が伝わってきましたね。落ち着いて走ってました。タイでもハードかと思っていましたが、カンボジアの方がより難しく、他の参加者も同様ですが一気にペースが落ちて厳しすぎる感がありました。それで、後半だいぶ体力的にも厳しくなってきた様子でも、500km(SS=タイム計測区間)を最後まで自分で走りきりました。単に500kmといっても日本の高速道路で東京から兵庫に行くのとは違いますからね。けれど、翔さんも楽しんでいた様子でしたよ。」

優勝したタイ王国のナタポン選手をはじめ、上位陣のいすゞ勢の多くがTOYO OPEN COUNTRY M/Tを装着していた『第23回サン・クロレラ アジアクロスカントリーラリー2018』、来年のチャレンジも楽しみです。

(clicccar編集長 小林 和久)

この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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